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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年6月2日出題)

第151問(2008年6月1日:飯島五段-瀬川四段戦)
(問151-1)
先手飯島五段の▲2六歩に後手の瀬川四段は△8四歩として相掛かりに進んだ。その後、両者ともにちょっとした趣向を見せて手将棋模様になったが、後手が△7五歩から△9五歩〜△9八角と強襲をかけた。
今、△8七角成と9八の角を成ったところ。こういう場面ではどのように受けたら良いか。それ以外の手ではすぐに悪くなってしまうため、有段者にとっては当然の一手と言えるが初級者でも覚えておいて欲しい手筋だ。


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問151-2)
後手の強襲を凌ぎ、飛車を押さえ込んでやや先手が良くなったと思えたが、後手も馬を引きつけ粘りに出た。そこで今度は先手が2筋から強襲。難解な終盤戦になったが、今△9六角と先手玉に詰めろをかけたところ。この角がいなくなれば後手玉は詰むのか、(9六の角が)いても詰む可能性はないのかなどいろいろな事を読まなければならないが、ここで先手の指した一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問151-1解答)「飛車頭を連打する受け」
ここで飯島五段は▲8五歩△同飛▲8六歩と飛車頭を連打して受けた。このような受けは棒銀などの受けにも良く出てくる応用範囲の広い受けだ。問題図で馬を取るのは△同飛成と成り込まれ、角金交換の駒得でも龍に入られてははっきり悪く、叩かずに単に▲8六歩では馬を逃げられてやはり悪い。
という訳で、この局面は叩くしかなく、実戦も▲8六歩に△8八馬▲同銀△8六飛と進み難しい戦いが続いた。



(問151-2解答)「角筋を限定させる中合いの歩」
この局面、あわてて▲4二歩成と王手してしまうのが一番悪く△6三玉で何枚駒があっても詰まない形になってしまう。詰ますとすれば二段目の飛車打ちから7二の金を取って▲8一銀と打つ筋。しかし現在は馬と角が良く利いていて詰まない。そこでこの筋を残しながら一旦は受けなければならない。
実戦はここで▲8七歩と利きのない所へ打った中合いが絶妙だった。△8九飛と「駒を使って下さい」の王手には▲6八玉で頑張る。仮に△8七飛成なら▲8八金とまだ受けが利く形だ。
実戦は角一枚が消えても詰んでいるかどうか微妙だった為、△8七角成と手を渡し先手玉に迫ったが、▲2二飛から▲7二飛成の筋でやはり詰んでいたようで、この中合いの歩が勝因となり熱戦に幕を閉じた。


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