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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年7月28日出題)

第159問(2008年7月27日:村中四段-木村八段戦)
(問159-1)
後手の木村八段が6手目△3三角と上がったため角交換から模様の取り方の難しい手将棋となった。
その後、先手の飛車先が切れるかどうかという水面下の読み合いが続いていたが、29手目ついに▲2四歩を決行、それを後手がとがめるという展開になり、先手の攻め、後手の受けがはっきりした。そして今▲5五桂と銀取りに桂を打ったところ。
局面は飛金交換で先手の駒損、さらに先手の陣形が低く歩が切れていない(歩の使えるところがない)ことから先手の攻めがつながるかどうか微妙な展開になっている。
ここで指された木村八段の一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問159-2)
一旦は先手の攻めを完全に余せそうだったのだが、先手も切れないように巧みに手をつなぎ、形勢は逆転。駒割りも逆転しすでに先手の駒得になっている。今、最後ののぞみをかけ△9五桂と金取りに桂を打ったところ。すでに勝勢な為、絶対の一手という訳ではないが、ここで勝ちを決めた村中四段の次の一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問159-1解答)「駒割りより食い付かれない受け方」
ここで平凡に考えるなら△5四銀だが、▲6三金とされ△9二飛に▲5三角成と食い付かれ後手がまずい。そこで、木村八段の指した△5四角が銀桂交換になっても食い付きを防ぐ好手。これで、以下▲6三桂成△同角▲5五銀と進んだが△3六角▲6四銀△6一桂で、先手の攻めを余せそうな局面へと進んだ。




(問159-2解答)「駒割りより欲しい駒を取る受け方」
先手の攻めがつながり、ここでは先手の必勝になっている。なので他の受け方でも負けと言うことではないが、じっと▲8八歩と金桂交換に甘んじる受け方が冷静な受け。後手玉は▲5四桂が痛打な為、桂を渡せない。という訳で先手の欲しい駒は桂。
実戦はすぐに桂を渡さないよう一旦△7五歩を突いたが、結局金を取る以外になく、▲5四桂が実現し、以下は一気に長手数の即詰みに討ち取った。


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