第183問(2009年1月25日:藤井九段-佐々木五段戦) |
(問183-1) 先手藤井九段、後手佐々木五段で、3手目▲6六歩、4手目△5四歩から三間対向かい飛車の相振り飛車になった。その後、先手が9筋を攻めて戦いに入り、後手は棒銀模様に美濃の玉頭に圧力をかけた。 そして、▲7四飛から▲5四飛〜▲3四飛と先手がダイナミックに飛車を転回させ、それに対し△2六歩から今△4四角と銀にヒモを付けて手を渡したところ。 ここで指された先手藤井九段の一手は何か?△3三歩や△2七歩、△2六銀などが見えているが、部分的にここだけで何とかしようとしてもうまくいかない為、筋にはない手で局面をリードしようとした。 (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問183-2) 端攻めより早く美濃の弱点をうまく攻略し、後手が優勢になった。先手としては局面を複雑にする為、▲3四桂の勝負手を放ったが、今△3八とと王手で先に銀を取り▲同金となったところ。しかし、すぐに先手玉に寄りつく訳ではないので、一旦は飛車を逃げなければならない。どこへ逃げるのが最善か? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問183-1解答)「働いていない駒を大きくさばく」 ここで藤井九段の指した▲8五桂が働いていなかった8八の角を世に出す奇手とも言うべき一手。と言うのも、本来なら▲9三香成△同香▲8五桂と跳ねるのが普通の手順で、これでは先に桂を取られ、しかもその桂に働かれる可能性があるからだ。実戦はもちろん△同桂もあるところで、それなら難しい勝負が続きそうだが、本譜はこの桂を取らずに△2七歩と急所に歩を垂らした手がそれを上回る好手。この手が読みに入っていなかったらしく(感想戦)、あわてて▲4四角から▲3六飛と引いて受けたが、この手順が悪く△2八角を打たれ形勢を損ねた。 |
(問183-2解答)「攻め駒を攻める逃げ方」 飛車を縦に逃げるか横に逃げるか。実際の局面は千差万別なのでその時々で読みを入れなければいけないが、一般的には横に逃げた場合は、受けを、縦に逃げた場合は攻めを重視することになる。 ここで佐々木五段は△2四飛と二つ浮いて次の△3五香の狙いを見た。横に逃げておけば4二の地点は二重に利きがあり安心だが、▲2三角など打たれるし、仮にそのような手がなくても大きな利かされになる。すぐに攻めがなく、△3五香が間に合うと読めれば縦に強く逃げたい。 実戦は△3五香〜△2九馬〜3四飛〜△3八馬と、▲7四歩〜▲9一香成〜▲9六飛の攻め合いとなったが、後手の方が明らかに早く、寄せに入る段階で大差となり先手の投了となった。 |
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