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NHK杯に見る受けの手筋
(2009年5月25日出題)

第200問(2009年5月24日糸谷五段-中田(功)七段戦)
(問200-1)
後手の中田七段はコーヤン流三間飛車で有名。その名の通り三間飛車に飛車を振ると先手の糸谷五段は居飛車穴熊に玉を囲った。その後、6筋で細かい折衝が行われ、ここから大きな戦いへと発展していった。
さらに▲2四飛に手抜きし△7五歩と攻めた手がやや危険で、特に図の数手前△7三金と寄った手が敗着ともなるべき一手で痛打▲4四角を喰らったところ。
囲い崩しの本にも良く出てくる筋で、次は▲7一龍△同玉▲6一歩成を見ている。ここでは悪いながらも最善に受ける後手の一手は何か?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問200-2)
この将棋は30分近く感想戦があったため様々な手の検討が行われた。特に△7三金で△7七歩成が入るかどうかという点がポイントで、下図はその感想戦の一局面。上図と似ているが、△7七歩成▲同銀が入っている。ここでの▲4四角は成立しないと言うのが感想戦で話された内容。それではここでどのように後手は受けるのか?
僅かの違いが大きな違いになる典型的な局面だ。感想戦で指摘された次の一手とは?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問200-1解答)「詰めろを防ぐ金寄り」
ここで△4三飛などと飛車を逃げると▲7一龍△同玉(逃げれば詰まないが勝機なし)▲6一歩成(両王手)△8二玉▲7一角成△9二玉▲9三金で詰んでしまう。そこでこの筋を防ぐ為△8一金と寄るのが受けの形。部分的にはこれでかなり後手玉は持つ形になり、▲3三角成なら△7七歩成と成って勝負形だ。



(問200-2解答)「龍切りを防ぐ受けの手筋」
実戦では△7七歩成が入らない(中田七段は直後に△6一龍と切られて負け)だと思った為この手を指さなかったが実際には△7七歩成が入ったようだ。第2問は△7七歩成に▲同銀としてから△7三金▲6二歩△7一金▲4四角となった局面で、ここでの一手は△3一金。これで凌いでいる。

実戦は第1図解答より飛車を取るのではなく、▲6六金とこの歩を払ったのが好手で、△同銀▲同角となり、後手の指す手がなくなってしまった。以下飛車を逃げたが、▲6五桂が続く痛打で後手玉は支えきれなかった。


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