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NHK杯に見る受けの手筋
(2009年11月23日出題)

第225問(2009年11月22日深浦王位-畠山七段戦)
(問225-1)
先手深浦王位、後手畠山七段で、相矢倉となった本局は、先手の深浦王位が3筋を切り理想形を目指したのに対し、後手の畠山七段はその理想形に組まれる前にと早い動きで4一玉のまま仕掛けた。今、7七で桂交換が行われ、再度△8五桂と打ったところ。ここではどのように受けるのが良いか。先手深浦王位の指した一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問225-2)
中盤から終盤にかけ後手の攻め、先手の受けが続いていたが、飛車を取った先手が今▲9二飛と打ち下ろしたところ。次に▲5二銀が非常に厳しい一手となっており、このまま打たれてはダメだが、だからといって駒を投入して攻め駒不足になってもまずい。
ここでは、実際に指された手ではなく感想戦で話された一手を。次の一手で形勢が急激に先手に傾いたが、そのように指していればまだ難しい終盤戦が続いていたというその一手とは?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問225-1解答)「叩ける場所の金を逃げるかどうかの基準」
金取りに桂を打たれた場合、金をかわして何でもないなら逃げるのが普通だ。しかしすぐに歩を叩かれる場合は難しい。一つの基準として、相手に歩がないなら、金は逃げる。何枚も歩があって一歩で一手稼がれてしまう場合は逃げない。持ち歩が一歩の時はその時の状況による、と考えて良いと思う。
この場合も、▲6七金寄とかわす手をまったく考えない訳ではないが、△7七歩が利く上、7六や5六に銀が出る大技もあり支えきれない。さらに遊んでいる9五の銀を引く手がピッタリなため▲8六銀がこの一手となっている。



(問225-2解答)「ひも付きでも急所の飛車を取る」

実戦は単に△5六角と打ったが、▲5二銀△3一玉▲4三銀成から寄せられてしまった。
感想戦で話された手順は、△8九銀と王手で打って▲同玉なら△5六角と王手飛車をかける順。この手順の王手飛車は、初心者では気づかないかもしれないが、初段なくても難しい手ではなく気づくだろうし、逆に初段くらいであれば喜んで打ちそうだ。しかし、何も利いていない飛車にあえて香を利かせてしまう”純粋王手飛車”でないため、アマでも三、四段あれば相当打ちにくいと感じる手順だ。
感想戦では時間がなくなってしまった為、この後の変化を調べることが出来なかったが、少なくとも本譜よりはいろいろなアヤがあったようで、こう打っておけばまだどうなっていたか分からないとのことであった。

実戦は▲6四飛の決め手が出てこの後数手で後手投了となった。

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