第263問(2010年8月22日 山崎七段-藤井九段戦) |
(問263-1) 先手山崎七段の居飛車に後手の藤井九段は藤井システムで対抗。先手が▲5五角から四枚左美濃〜銀冠、さらに穴熊に囲うと、後手は、△4四銀から押さえ込みを図った。 その押さえ込みを突破すべく仕掛けると、後手の反撃はそれ以上に厳しく、特に玉頭から手を付けると、穴熊に食い付ける形になった。 下図は終盤、すでに先手が厳しい局面だが、ここからの粘りは参考になる手順。ここで、指された先手山崎七段の一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問263-2) 8筋をからめて先手の食い付きが成功。△7八銀と打って容易にほどけない形になったが、今▲6三金と最後のお願いをしたところ。先手玉は金を渡すとかなり危険だが、まだ詰むまでには至らない。ここで指された後手藤井九段の受けの一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問263-1解答)「穴熊の受け-千日手模様で粘る」 ここで山崎七段の指した一手は▲7九金とここに金を打って△8八金(銀)の一手詰を防ぐ手。△7八銀や金には▲同金△同成桂にさらに▲7九金と何度でもここに打って千日手模様で粘る。但し金がなくなるとここに打てないので▲8九銀とこちらに受けることになる。 2六に角の質駒もあり受けきるのは容易でないが、千日手になったり、攻めが遅れて▲6四歩の拠点が利いてきたり▲3五角と出る手が決め手になれば勝負は逆転する。 |
(問263-2解答)「打ち込まれた駒に歩で受ける」 ここで藤井九段の指した一手は△6二歩。垂らされた歩に対し歩で受けるのは基本だ。また、打ち込まれた駒に対し、このように歩を受けるのも部分的には基本的な受け。 ただ実戦になると、金を取って相手玉が詰まないか、とか歩を受けた後厳しい攻めがないかなどいろいろと複雑な要素がからまり単純にはいかないことも多い。 とは言え、ここでは△6二歩がピッタリした受け。▲7二金△同玉に筋は▲5四角だが、2四の飛車がちょうど受けに利いていてうまい攻めがない状態になっている。 本譜は、さらに▲8九銀と粘ったが、△同銀成▲同金に△8七歩と歩の攻めが急所に来るようになると受けきれなくなる。先手が▲3五角で手を渡したので、豊富な持ち駒を使って先手玉を即詰みに討ち取り終局した。 |
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