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NHK杯に見る受けの手筋

(2010年9月6日出題)

第265問(2010年9月5日 窪田六段-堀口七段戦)
(問265-1)
先手窪田六段、後手堀口七段で、5手目に▲3三角と上がった為、角交換後再度角を打ち下ろすという、居飛車同士の手将棋、その後相腰掛け銀へと進んだ。
少し先手の模様が良いかと思われたが、それを打開すべく3筋から動いた手が好手で、下図は△2七角成となって難しい中盤戦へ突入したところ。ここで指された先手窪田六段の次の一手は?さらに三手目も考えた上で。

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問265-2)
やや攻めさせられる形で、3三で精算し、今▲3三同角成と最後の駒を突入していったところ。先手の持ち駒は銀桂だけで細いようだが、2七の馬と3六の銀、どちらかを取れる形になっており、しばらくは丁寧に受けないと危ない。
ここで、指された後手堀口七段の次の一手は?二択だが、どちらで取っても▲3四歩の叩きが来るので、その後の一手も合わせて考えてもらう。

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問265-1解答)「角筋の王手は厳しい」
ここで▲5五角と王手し、受けた手に対し▲2九飛と一つ寄るのが読み筋。将棋と言うものは、やみくもに王手して良いことはあまりないが、角による王手は受けづらいことが多い。特に、王手した後、すぐに金銀で追われない時は、王手した手がプラスに働く。
実戦は、▲5五角に△4四歩と「大駒は近づけて受けよ」の格言で応えたが、▲2九飛△3六銀▲4四角△3三歩▲3四歩から先手の攻めがつながるかどうかという勝負になっていった。


(問265-2解答)「相手の持ち駒を見て広い場所へ逃げる」
ここで実戦は△3三同玉と玉で取り、▲3四歩に△4三玉と4筋方面へ逃げた。多くの場合、3三に打ち込まれた駒は、まだ金など他の駒で取れる場合は、玉を残しておく方が普通だが、このように守りに飛車が利いており、相手の持ち駒が少ない(銀桂プラス質駒の角か銀しかないと考える)場合は、玉で取り、叩きの歩には広い方へかわす方が捕まりにくい。
ただ、どのような場合に玉で取るかの明快な指針はないので、数多くの経験と読みの裏付けによるものになる。

本譜は、この後、▲2七飛と角の質駒を手に入れ、▲6一角と迫ったが、上部へ脱出した後手玉は捕まらず、最後、入玉を確定させ勝利した。

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