将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ

NHK杯に見る受けの手筋

(2011年5月30日出題)

第301問(2011年5月29日 北島六段-屋敷九段戦)
(問301-1)
先手北島六段、後手屋敷九段で、戦型は横歩取り△8五飛。最先端の形から中盤は両者の細かい応酬が続いた。そして下図は、後手に先制されたが、うまく反撃し、先手が有利になりそうな局面。今、▲4四桂を見せながら、2四歩と銀頭を叩いたところ。ここで指された後手屋敷九段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問301-2)
後手も9筋から飛車を成り込んだが、先手も玉を引っ張り出し詰めろくらいは簡単にかかるところ。しかし、△3四角が良く利いており、△6八龍と切られるとこれは取れないので、相当危険だ。そこで、ここで指された先手北島六段の次の一手は?攻めの手であると同時に3四角を消す為の手でもある。

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問301-1解答)「大きな駒損をしない順を考える」
▲4四桂が見えるからと言っても、こちらを受けて▲2三歩成と単純に銀を取られてはいけない。この場合は、△同銀と取るか△3四銀とかわすかのほぼ二択。ただ、どちらでも▲4四桂は打たれてしまうので、その場合は垂れ歩が残っていない方が良い。従って実戦は△2四同銀。この後、▲4四桂に△同歩▲3二角成と進み、先手が優勢のまま終盤戦へ突入した。


(問301-2解答)「危険な駒を攻めながら精算」
ここで実戦は▲2三金と王手し、△同角▲同桂成△同玉と進んだ。本来こういう場面では、自玉が関係ないなら金を温存し、銀を使うのが筋。ただ、王手で角を精算しないと、△6八龍と切られて詰んでしまう(△6八龍に▲同玉は△7八飛。▲4七玉は△5五桂から△4八龍)。
実戦は2三で精算した後、▲4三角と打った。この手も自分の読みに自信がないと、▲5六角など王手で保険をかけたくなるが、自玉が詰まないと分かれば、正々堂々と詰めろをかけることが出来る。

本譜は△3四桂とあやしい桂を打って、最後の望みをかけたが、▲3二銀から正確に寄せきって、後手玉を詰めることに成功した。
先週の問題へ/来週の問題へ

将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ