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NHK杯に見る受けの手筋

(2011年11月28日出題)

第326問(2011年11月27日 高橋九段-阿部(健)五段戦)
(問326-1)
先手高橋九段、後手阿部五段で出だしは横歩取りの形。しかし、先手の高橋九段が飛車を引いて、後手の阿部五段が横歩を取った為、珍しい後手の横歩取りとなった。そして、先手の飛車切りから角打ちと華々しい展開が続き、下図は再度の飛車角交換が行われたところ。ここは難しい所で、すぐに何かを受けなければならないという状況ではないが、ここで指された先手高橋九段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問326-2)
終盤、△6二銀と飛車を捕獲して後手が優勢に立った。しかし、▲7二とと寄られ、後手玉は広いように見えるが、5五の桂がいなくなると3三の逃げ道に利いてきて、意外に狭い。ここで後手阿部五段の指した一手は?優勢から勝ちを決める受けの手筋とは。

(難易度・・・



(これより下に解答)

(問326-1解答)「渋い攻防手」
ここで実戦は▲6六角と一つ引いた。一瞬、狙いは分かりづらいが、受けとしては5七、4八とこの地点に利かし、攻めとしては▲5五桂を作った一手。
△7六歩が見え見えなので、(▲6六角と引く手では)▲6五桂と跳ねる方が普通に見えるが、△1五角と打たれ(▲5三桂成△同玉▲5一飛を受けながら、4八の銀に狙いをつける手)、以下感想戦では、▲3七桂△5四香▲4六角△5六香▲5三桂成△同玉▲5五飛となり、さらに以下も検討され、先手のやれる変化もあったがこれを実戦では断念。
もっとも、放送中は▲6六角も渋い攻防手で好手に見えるし、忙しい局面でなかなかアマには指せない一手にも見えた。


(問326-2解答)「金銀をかわす受け」
受けの手筋としては良く出てくる△5一銀とかわす受けが、プロなら当然の一手と言えるかもしれない。これで後手玉への攻めが(かわさない時に比べて)二手以上遅れ、局面がはっきりした感じだ。

本譜はこの後、▲4六桂の追撃に、△5五銀と急所の桂を食いちぎった手も安全な一手で、最後は後手玉が詰めろでなかった為、先手玉に必死をかけて勝ちきることになった。
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