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NHK杯に見る受けの手筋

(2012年3月12日出題)

第340問(2012年3月11日 畠山七段-羽生NHK杯選手権者戦)
(問340-1)
先手畠山七段、後手羽生NHK杯選手権者で戦型は相矢倉。ガップリ組んで、先手が仕掛け後手が受けるという展開になった。しかし、後手の先手陣形を乱す待ち方に先手の畠山七段が攻め方を間違え、後手が一気に有利な態勢に。そして下図、今△8五歩で銀が死に、はっきり先手が苦しい局面。苦しいながらもここではどのように指したら良いか。先手畠山七段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問340-2)
後手から見て、銀得で自陣も固い。すでに必勝だが、今▲5四歩と垂らされたところ。本来なら覚えたての初心者以外あまり問題にするような所ではないが、ここで指された後手羽生NHK杯選手権者の次の一手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問340-1解答)「大駒は近づけて受けよ」
すでに銀は助からない状況だが、何か一手を指して△8六歩▲同歩(角)とするより、▲8五銀と取り、△同飛とさせておいた方が後々アヤのある形になる。一般的に、飛車というのは、中段にいたり相手の駒に近いと不自由なことが多い。仮にだが、△8五同飛の局面で香があれば▲8六香で飛車が死ぬ。なので、(飛車を中段に近寄せておけば)▲1四歩△同香▲2六桂などと香を取りにいくような手も狙いとして残るという訳。

(問340-2解答)「辛すぎる受け」
▲5四歩に対し、△5二歩と受けるのは最も基本の受け。初心者の六枚落ちや八枚落ちで最初にしっかり覚えてもらう手筋だ。
ただし、この局面は大差なのでここを手抜いて攻めても勝てそうに思える。重要な一戦なら△5二歩は(他人から見ても)やむを得ない一手。しかし、アマチュア同士で楽しんで指している時に、このような辛すぎる受けを指すとそれは「友達をなくす手」と言われることになる。

△5二歩で先手は指す手がなくなり、以下数手で投了となった。
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