第349問(2012年5月20日 永瀬五段-神谷七段戦) |
(問349-1) 先手永瀬五段の3手目▲7五歩に後手の神谷七段は△5四歩から3一の銀を5三へ、そして飛車を振り相三間飛車となった。中盤、駒組みが続くかと思われたが、27手目にいきなり先手から▲6五歩と仕掛け華々しい戦いに入った。今、▲3一飛と大駒交換した飛車を先手で打ち下ろしたところ。もちろん6一の金を取られてはいけないが、ここで指された後手神谷七段の次の一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問349-2) △7三香で飛車が死に、普通はこの飛車を取られている間に攻めの手を作ると考えるものだが、ここで指された永瀬五段の次の一手は受けの手だった。飛車がこのような状態で受けるということ自体は驚きだが、受けと分かっていればそれほど難しい手ではない。ここで指された先手の次の一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問349-1解答)「後手にならないための”場合の受け”」 6一の金取りを受けるのは、普通なら△7二金とか△6二金寄とかであるが、▲3二飛成と香を取られた時、5二の金が浮いたり▲6三香があったりと常に後手になってしまう。ピッタリした受けがない、と思われる所だが、ここで神谷七段の指した一手は玉から離れる△5一金寄。「受ける場合は、常に金銀を玉の側に」という将棋の常識とは逆の一手ではあるが、▲3二飛成の時に手を抜けるのが利点な「場合の受け」。これで▲3二飛成に△2五桂と跳ねて難解な終盤が続いた。 |
(問349-2解答)「大駒を取り返す自陣の受け」 ここで永瀬五段の指した一手は▲2八銀。何もしないと△3七歩が厳しく、また▲2八銀で馬が捕まるだけに、受けとしては普通の一着。但し、△7三香と飛車が死ぬ攻めを敢行した直後だっただけに意表な読み筋だった。 本譜は(感想戦で)△2八同馬▲同玉△7四香▲6三角に△7二飛!と受ければまだまだ難解な終盤戦が続いたと思われるが、実戦は△2九馬と桂の方を取り、▲6三角に△4二桂と受けた為、以下数手で先手の勝ちとなった。 |
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