将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ

NHK杯に見る受けの手筋

(2012年6月11日出題)

第352問(2012年6月10日 松尾七段-中尾五段戦)
(問352-1)
先手松尾七段、後手中尾五段で戦型は一手損角換わり。先手は棒銀から銀を3七へ繰り替える定跡を採用、中盤の細かい応酬から一気に全面戦争へと入っていった。今、▲7二銀と飛車に当て、△3一飛に▲6三歩成とと金を作ったところ。すぐに何かを受けなければならないということではないが、攻めると桂を渡し反撃が厳しい。ここで指された後手中尾五段の三手一組の手順は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問352-2)
△9六銀と上から押さえつけられた所で、次に△8七歩成が入っては受けが利かなくなる。ここではどのようにその手を受けたら良いか。相手の持ち駒からその攻め筋を考え、受けの一手を指すことになる。

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問352-1解答)「玉の早逃げで入城する」
問題図の次の一手は△3三玉。そして▲6七金右に△3二金と寄って、△2二玉を可能にした。この△3三玉から△3二金で後手玉が急に安全になり、また先手の攻め駒から遠くなった。
なお、先に△3二金と壁金を直すのは、▲2二歩と打たれ、「一歩で一手を稼がれる」手を気にしなければならない。

(問352-2解答)「(攻め駒が少ない時)玉は上部へ」
ここでは▲8八玉がほぼこの一手とも言える一着。但し、相手の攻め駒が少ないことをきちんと見越して上がらなければならない。特に角を持たれていると、△8七歩成▲同金に△9九角という手筋があるので注意。さらに、角がなくとも味方の▲6六金がいないと、△7六銀のように数を足されて▲8八玉がかえって悪手になってしまうこともある。

本譜は少し前の先手玉への迫り方に問題があったのかもしれない。上部へ出た先手玉は捕まえづらくなり、その間隙を縫って、▲2七香から▲2六香打と飛車を含めた三段ロケットを据えると後手玉に受けはなくなった。
先週の問題へ/来週の問題へ

将棋タウン(ホーム)へ/受けの手筋表紙へ