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NHK杯に見る受けの手筋

(2012年6月25日出題)

第354問(2012年6月24日 佐藤天彦七段-佐藤和俊五段戦)
(問354-1)
先手佐藤天彦七段、後手佐藤和俊五段で戦型は居飛車穴熊対四間飛車穴熊。良く現れる定形から飛車先の一歩をもらった後手が歩を垂らす攻めを敢行し戦いが始まった。難しい中盤から終盤戦へ入ったが、後手が少しずつポイントを上げ、飛車を成り込むことに成功。今、5二の成桂を▲6一成桂と進めたところ。△6七とは厳しい攻めだが、▲7一成桂△同金(銀)に▲8三桂不成がありこちらの方が早い。そこで、ここで指された後手の受けの一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問354-2)
一進一退の難しくも面白い終盤戦になった。今△4五角と攻防に角を放ち、次に△8九馬からの殺到を狙っている。ここで指された先手の次の一手は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問354-1解答)「遊び駒を受けに使う」
問題図で盤面全体を見た時に、唯一攻めにも受けにもなっていないのが6五の銀だ。そこで8三の地点に利かす△7四銀が味の良い一着。これで先手の狙いである▲7一成桂△同金に▲8三桂不成を防いでいる。
本譜はこれで先手の攻めを受け止め、後手の一手勝ちになりそうではあったが、途中と金を捨ててスピードアップした手が逆に先手玉を固めさせることになり形勢は混沌、逆転の道を歩むことになった。

(問354-2解答)「穴熊の受けの基本-埋める」
次に△8九馬とされたら終わってしまうのでここは7八に駒を埋めるしかない。その場合も、▲7八金右と節約するような受けは△同馬と切られてまずい。ここは▲7八銀と埋める一手だ。

この一戦は、お互い自陣に駒を埋める手、さらには内飛車と外飛車の関係を使った一段歩など受けの基本手筋が何度も出てきている。是非盤に並べて味わってもらいたいと思う。
本譜は結局先手玉を攻めあぐねる事になり、お互い王手が一度もかからず先手の勝利となった。
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