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NHK杯に見る受けの手筋

(2012年7月9日出題)

第356問(2012年7月8日 甲斐女流四段-野月七段戦)
(問356-1)
先手甲斐女流四段、後手野月七段で戦型は石田流対居飛車穴熊。下図はまだ駒組みの途中だが、感想戦で検討された局面。△5四歩と突いた所で、いきなり▲7四歩の仕掛けも▲9五角の筋があるだけに有力だったようだ。実戦はすぐには仕掛けず陣形の整備が続いた。ここで指された先手甲斐女流四段の指した一手は?自陣を強化する自然な一着。

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問356-2)
最終盤ですでに後手必勝。今▲3二香成と金を取って手を渡したところ。現状は後手玉に詰めろはかかっていない。また先手玉も詰まない。ここで味の良い勝ち方は何か?後手野月七段の指した一手は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問356-1解答)「金銀の連携の良い四枚美濃」
ここで甲斐女流四段の指した一手は▲4七銀引。陣形整備なら一番しっかりした一手と言える。▲4七金の高美濃は、部分的には良くある形でもここでは5六の銀が中途半端で固くなっていない。攻めるならこのまま攻めたいし、守るなら銀を引きたいということで、しばらく駒組みが続いた。

(問356-2解答)「守る手が詰めろになる場合」
ここでは平凡に△3二金と成香を取る手が非常に味が良い。と言うのも、香を手に入れた瞬間に先手玉が詰めろになるからで、もし取った手が先手玉に何も影響ないのであれば、ときに緩手となることもある。また、成香を置いたままにしておくと大量に駒を渡すと自玉(後手玉)が詰めろになることもある。自玉を安全にしながら相手玉に詰めろをかける手と言うことで、勝ち方としては自然で一番しっかりした一手だ。

本譜は、適当な受けもなく、形作りの▲3三歩に△2七銀と打って先手が投了した。
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