第368問(2012年9月30日 屋敷九段-野月七段戦) |
(問368-1) 先手屋敷九段、後手野月七段で戦型は横歩取り△8五飛戦法。先手の屋敷九段が▲1六歩から▲1七桂と積極的な趣向を見せると、後手の野月七段も△7三桂から△8五桂と桂の活躍する将棋となった。 途中▲5五角に△4四角▲同角△同歩と味を付け、進んで下図は四枚の桂交換の後、△6五桂と後手が急所に桂を打ったところ。ここで指された先手屋敷九段の次の一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問368-2) 中盤、先手は飛車を後手は7八にあった金を取ったが、この間角銀交換もありこの局面の損得はない。今4三への桂や銀の打ち込みを見て▲3五桂と急所に桂を据えたところ。実戦は、△3四角と守りながら6七への利きを見せたがあまり攻めには使えず、この後一方的に受ける展開になってしまった。短い感想戦で話されたここでの別の一着は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問368-1解答)「銀をかわす方向」 銀取りに桂を打たれる局面は様々な場面で良く現れる。その時、どちらへ逃げるか、あるいは逃げずに手を抜くかは難しく常にその時の状況によるが、図のように▲7六銀と一つ立つ逃げ方も時々出現し、しかも好手になることが多い。▲6六銀と桂頭に逃げるのがもっとも多いが歩が利く場合は、△7七歩と叩かれ、特にこの場合は、△8八金に△7六桂が痛打になってしまう。(△6五桂に)じっと▲8八銀と引けば△7七歩には金をどちらへも逃げられるが、桂取りになっていないので「攻めをせかす」という意味からは▲7六銀など上にかわした方が強い受けとなる。 |
(問368-2解答)「攻めをせかす受け」 実戦は△3四角と打って受けたが、桂取りになっていない為、▲9一飛成と一手ためられ、△7七成桂にその取った香を▲4三香と打たれ一気に寄せられてしまった。感想戦で話された手が△3四銀の受け。これなら香を取っている余裕がなくその分攻めが薄い。短い感想戦では結論は分からなかったが、本譜で寄せられてしまうのであればこう受けるしかなかったのかもしれない。 第1問もそうであったように、実戦、終盤では単に受けるだけではなく、攻防手であったり、相手の「攻めをせかす」受けの方が良いことが多い。 本譜は△3四角に一旦▲9一飛成と香を蓄えると▲4三香からは粘りを与えず一気に後手玉を寄せきった。 |
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