第377問(2012年12月2日 羽生NHK杯選手権者-山崎七段戦) |
(問377-1) 先手羽生NHK杯選手権者、後手山崎七段で戦型は一手損角換わり。先手の棒銀に、後手は△4五歩から△4六歩と突き捨て乱戦へ突入した。その後は、先手が飛車を切り攻めきれるかどうかという局面が続いていたが、下図▲6二角と打った手が好手で、容易に切れない形にはなっている。とは言え、まだ後手にも頑張れる余地はあり、ここではどのように受けるのが良いか。後手山崎七段の指した一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問377-2) △4三の銀を▲4三金と取りながら寄った局面で、通常は駒を補充しながらの攻めなのでもう受けはないと思われるところだ。しかし、ここで山崎七段はさらに受けの手を放って攻めを格段に難しくした。悪いながらも攻め間違えれば逆転につながる受け方とは? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問377-1解答)「攻め駒に当てる受け」 問題の局面は次に何もしなければ▲5三金でも銀でも打たれると簡単に寄ってしまう。そこで△5三銀と角に当てて打つ手も考えられる所だが、▲5一銀△5二玉に▲5三角成から寄せられてしまいそうだ。そこで山崎七段は△5五銀と飛車に当てながら4四の地点を守った。これは▲5三金△3二玉▲4三金△同玉▲4四角成という筋を受けながら、飛車取りにして先手の攻めをせかしているという受けだ。 |
(問377-2解答)「終盤の粘り」 ▲3二馬△1二玉▲1三銀からの即詰みを受ける為、金を動かしてもすぐに▲2四歩と叩きがある為、受けになっていない。しかし、ここで山崎七段の指した△2二歩がしぶとい一着だった。後手はとにかく手を伸ばして飛車を取る手が回れば逆転する。いずれにしてもこの一着で攻めが格段に難しくなった。 本譜は一手間違えれば逆転するという局面にはなったが、そこは羽生NHK杯、筋の▲3三銀から玉を追い詰めると、最後はきれいな必死をかけて勝利した。 |
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