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NHK杯に見る受けの手筋

(2013年5月6日出題)

第396問(2013年5月5日 中田(宏)八段-佐々木(勇)四段戦)
(問396-1)
先手中田宏樹八段、後手佐々木勇気四段で戦型は相矢倉3七桂。先手は雀刺しから後手の角を狙う形で戦闘が始まった。今、▲7四歩と角を追い、△5一角に▲4六角と飛車取りに出たところ。こうした角の筋は、特に初心者のうちは受けづらいものだが、ここで指された後手佐々木四段の指した手は?三手一組の手順で。

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問396-2)
先手の攻めが成功し、下図は飛車得で優勢。しかし後手も何とかアヤを求めて今△1七香成と飛車の逃げ場を聞いたところ。△9五には角がいて、先手玉を狙っている。このような場合、飛車はどこへ逃げるのが良いか。先手中田八段の指した一手は?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問396-1解答)「手筋の歩の突き捨て」
△9二飛と逃げて先手に手がなければそれで問題ない(実際、そういう局面は良くある)。しかし、ここでは香を持っている為、▲8三香が厳しい後続手だ。そこで、後手の佐々木四段は、△5五歩と突き捨て、▲同歩に△6四歩と角道を遮断した。このような手筋の歩の突き捨ては実戦でも良く出るが、5五が位となって将来5四に打ち込まれたりすることも多いので気をつけたい(本局もそうなってしまった)。

(問396-2解答)「一番遠くへ逃げる」
たとえば玉頭を守る必要がなく、▲5八飛から敵陣へ成れるならそのように逃げることもある。しかし、ここでは中途半端な所へ逃げると、かえってまた飛車取りにされながら先手で駒を打たれる(利かされる)可能性が高い。そのような時は、一番利かされない遠くへ逃げるのが手筋だ。

本譜は、先手の金銀を歩でつり出したものの、飛角が非常に良く利いていて攻めきれず、▲7二飛から▲3二飛成で後手の投了となった。
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