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NHK杯に見る受けの手筋

(2013年6月10日出題)

第401問(2013年6月9日 北浜八段-木村八段戦)
(問401-1)
先手北浜八段、後手木村八段で戦型は横歩取りの出だしから飛車を引く相掛かり。そして銀交換の後、棋風通り先手が攻め、後手が受ける展開となりその状態が長く続いた。終盤、一時は先手の攻めが成功、瞬間詰みの局面も生じたが、それを逃し局面は混沌としていくことになった。
下図は後手の手番。銀を使わせたとは言え、3三の銀は逃げられないし、あまり受けようのない局面に見えるが、ここで指された後手木村八段の一手は、らしい一着でさらに難しい局面へ持っていくことに成功した。その後手の一手とは?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問401-2)
後手玉はとりあえずは入玉を果たした。とはいえ、玉のまわりに何もいないのでこのままでは寄せられてしまう。このような入玉形での玉の補強手段とは?木村八段の指した三手一組の手順は何か?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問401-1解答)「入玉模様に攻めをせかす」
ここで一手△2四玉と立った手が混戦に持ち込む勝負手だった。△1六歩から△1五玉、あるいは△2九飛成から△3五玉を見せて先手の攻めを誘う。もちろん正確に指されると捕まっているようには見えるが、時間のない中では実戦的な勝負手と言える。そして実際この後、入玉に成功し逆転している。


(問401-2解答)「入玉のまわりはと金で守る」
△2七銀とか△2八金とか金駒で玉のまわりを守るのは、その駒を取られてそれで攻められる恐れがある。しかも金銀を豊富に持たれると、入玉形といえども捕まるのである。しかし、それがと金や成香、成桂であれば取られても使う場所がないので役に立たない。
ただこの局面は、二歩で△2八歩が打てない。そこで、△3五香と龍取りに打ち、▲2五龍と相手に歩を取らせることで、この△2八歩を実現した。

本譜はこの後も後手の入玉を捕まえられるかどうかの攻防が続いたが、最後は駒を豊富に蓄え、先手玉を即詰みに討ち取ることに成功した。なお後手玉に一瞬生じた詰み筋は水曜日に出題している「今週の実戦の詰み」で。
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