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NHK杯に見る受けの手筋

(2013年8月19日出題)

第411問(2013年8月18日 森内名人-松尾七段戦)
(問411-1)
先手森内名人、後手松尾七段で戦型は相矢倉。但し、序盤、早い先手の動きに後手も反発し、お互いの玉は入城しないまま戦いに入った。
下図、駒割りは五分。と金が出来ており先手の飛車は押さえ込まれている為、後手良しにも見えるが、この▲7四桂がうるさい。△9二飛には▲8三銀、△7二飛には▲6一銀の追撃がある。ここで後手松尾七段の指した一手は?このピンチをどのように凌いだのか?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問411-2)
難解な終盤戦、先手玉が攻められている。今、△4七角成と成ったところで、次に△5七馬あるいは△5七歩成からの攻めを見られている。ここでは、どのように受けるのが良いか。先手森内名人の指した次の三手は何か?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問411-1解答)「取りに”取りがえし”」
序盤や中盤で「大駒を取るぞ」と言われればほとんどの場合、逃げるのが正解だ。しかし、ここでの逃げ道が二つともあまり芳しくない。
そこで実戦、△8三桂と飛車取りに対し、角取りで反撃したのが、なかなかの勝負手だった。角を逃げれば(逃げ場所も難しいが)、△9二飛の時の▲8三銀がなくなる。そこで勢い▲8二桂成と飛車を取ることになるが、△7五桂と角を取った桂がまた急所に来てギリギリの終盤戦が続くことになった。

(問411-2解答)「玉の早逃げ八手の得」
良く取り上げるように、ここでも▲7六玉の早逃げがこの一手とも言うべき一着。△5七歩成には、▲8六歩と突いて置くのが、追われた時に▲8七玉の入城を見て味良い一手。

本譜は王手をすると▲8七玉なので、じっと△6九飛と打っておいたが、▲3三桂から猛烈な攻め合いになった。最後はどちらが勝っているのか分からないような熱戦になったが、詰めろ逃れの詰めろに打った先手の角が良く利いて、後手玉は必死、先手玉は詰まないという形になり、先手の森内名人が辛勝した。
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