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NHK杯に見る受けの手筋

(2013年9月16日出題)

第415問(2013年9月15日 金井五段-久保九段戦)
(問415-1)
先手金井五段、後手久保九段で戦型は角道を開けたままの四間飛車。駒組みは、後手が△3五歩と3筋の位を取った手に先手は角道を止め、玉頭位取りを目指した。
そしてその玉頭から戦いが始まり、一気に盤面全体への戦いに移っていった。下図は今▲1七角と飛車取りに打った所だが、逃げれば銀を取れる田楽刺しになっている。ここで久保九段の指した一手は?どのように受けるのが良いか?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問415-2)
最終盤、どちらが勝っているか分からない熱戦になっている。今△6九銀と手筋の一着を放ったところ。これは次に△7八銀成から△6九角の詰みを見ている手で詰めろ。一見ピッタリした受けがないように見えるが、ここで金井五段は読みの入った一着を出して勝利に結びつけた。その一手とは?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問415-1解答)「遊び駒を増やさない受け」
単に飛車逃げるのは銀を取られながら馬も作られてしまう。△4四銀や持ち駒の駒を打って受けることも考えられるが、後々3五の飛車を取られ、それを取り返した時その駒が遊び駒になってしまう可能性が高い。
そこで実戦、久保九段は△3四歩と一番安い駒で飛車を支えた。もちろんこのような手は、▲3六歩と突かれても大丈夫でなければならず(その場合は、飛車を成って攻め合い勝負)、十分な読みは必要。実戦は、すぐに飛車は取らず、▲2四飛からの難しい終盤戦が続いた。

(問415-2解答)「場合の好手-斜めにかわす金」
「金は斜めに誘え」の格言があるように、多くの場合金という駒は斜めに動くと弱くなることが多い。たとえばこの場合も、後手に金があれば一手で詰んでしまう。このように本来は(かわすなら)上や横に逃げるのが普通で、斜めに動くのは、筋自体は悪いと言える。
しかしだからこそここで指された▲8七金が妙手だった。後手は「詰めろ」を続けたいのだが、金を上や横にかわしたなら、香を持っている為詰めろを続けることは出来るが、この斜めに動いた金に対しては詰めろを続けることが出来なかった。

この一局は感想戦がなかったので本当の所は分からないが、解説では△8六歩▲同金の後の△4二金と守った手がどうかと話されていた。受けとして一手の価値がなく、結局先手玉に詰めろをかけた時には、後手玉は即詰みになってしまった。
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