第430問(2013年12月29日 森内名人-羽生三冠戦) |
(問430-1) 今回は、NHK杯ではなく将棋の日に行われた次の一手名人戦の放送から。 先手森内名人、後手羽生三冠で戦型は後手の四間飛車対玉頭位取りという昔良く見た戦型。後手の金銀が離れた瞬間、先手が仕掛けて戦いが始まった。 下図は、▲2二飛成の王手に△6二金上と受けたところ。ここでは継続して攻める手も普通だが、先手の森内名人はここで受けの一手を指した。その一着とは? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問430-2) ▲4一飛と下段に打ち込み、次に▲4二飛成と▲8四歩△同銀▲8三歩を見ている。ピッタリした受けはないが、ここは辛抱するしかない。後手羽生三冠の指した一手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問430-1解答)「一手前に受ける」 良くプロは「一手前に受ける」と言われるが、まさにそんな感じの一着がここでの▲6六銀。△4七とと寄られれば▲6六銀とかわすのは当然の一着だが、それが来る前に▲6六銀とかわしておき、次の攻め(△4六歩)には手抜きで▲8五歩から▲5二角と攻め込むのが、森内名人の読みだった。 |
(問430-2解答)「相手の攻めを遅らす受け」 ▲4二飛成と王手で取られるのは厳しい。と言って、△5三銀など単に銀を助けるだけでは、▲8四歩から攻められてしまう。と言うわけで、△5一角とここに角を打って受けたのが本譜。部分的には、非常に辛い一着だが、これで一旦は先手からの攻め足を止め、相手がこの辺りの駒を取っている間に攻めの態勢を築くと言うのがこの手の意味。 実際、▲5二金と打ち、この角銀を取れる形にはなったが、その間に△8六桂から△4九飛を打ち、先手玉に迫った。そして最後、ギリギリの攻め合いを制したのは後手の羽生三冠だった。 |
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