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NHK杯に見る受けの手筋

(2014年4月28日出題)

第446問(2014年4月27日 高橋九段-川上六段戦)
(問446-1)
先手高橋九段、後手川上六段で戦型は急戦矢倉。しかし、お互いガッチリ組み合い、仕掛けを伺うことになった。そして先攻したのは先手。これに手を抜き、後手も仕掛けて難しい中盤戦が続いた。
しかし下図、後手の△2四銀がやや守りから離れ、模様は先手が良くポイントを上げている。ここで後手川上六段の指した一手は?攻めに見通しが立つのであればこのまま攻めたい所ではあるが、あまり明快な手はない。そこで自陣に手を入れるとしたら、どのように入れるのが良いか?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問446-2)
金桂交換で、先手は駒得をし、さらに▲4六歩でこの銀の処置も悩ましく先手優勢。それでも今△3七歩と叩かれ、この対応を誤ると勝負形にされてしまうこともある。ここではどのように受けるのが良いか?この後実戦で進んだ三手とは?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問446-1解答)「懐を広げる一着」
ここで指された一手は△4四歩。説明するには難しい手だが、有段者が自陣に手を入れるならまずこの一着と言った筋の手でもある。△3二金△4二金のように金が二枚並んだ形というのは実際固く局面によってはこのままの方が良いこともある。しかし、発展性はない為、攻め味がないと動かすのが難しくなる。本譜の△4四歩から△4三金直は少し懐を広げながら、▲3四歩を甘くしようとする指し方。
しかし実戦、▲2六歩から攻撃形が整った先手は▲6四歩から一気にたたみ掛け先手優勢のまま終盤戦へ入った。

(問446-2解答)「飛車の位置」
この問題のように飛車頭を叩かれることは実戦では多い。その時どうするか。局面によって違うので決まった法則はないが、もし取るかどうか迷うならまず取る手から考えるのが普通だ。この場合は、▲3七同飛と取れば当然△3六歩と叩くだろう。そこで、一つ▲2七飛と寄るのが味の良い位置。この場合、七段目と言うのは、受けにも利いており、また2三の位置も睨んでいて攻めにも利いているからだ。

本譜は、この後△3五桂とさらに飛車を追いかけたが、その瞬間に見捨てて▲4五歩と銀を取ったのが鋭い踏み込みで、▲5四金から飛車を追いかけ、後手の粘りを許さず後手玉を寄せ切ることに成功した。
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