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NHK杯に見る受けの手筋

(2014年6月9日出題)

第452問(2014年6月8日 土佐七段-橋本八段戦)
(問452-1)
先手土佐七段、後手橋本八段で戦型は、三手目▲6六歩からの先手居飛車銀冠対後手三間飛車穴熊。中盤、後手が△5五歩から動き、難しい中盤戦になった。厚みの銀対手持ちの金という構図で、大局観の問われる将棋だったが、▲3七桂と跳ねた手がやや危険だったようで、先手は攻めを急がされ、今▲5五銀と出たところ。次に▲6四銀又は▲6四歩から飛車を切るような手も残っており、どう応対するか悩ましい。ここで指された後手橋本八段の次の一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問452-2)
上図から少しずつ先手の攻めを余せる形になっていった。そして下図はその終盤。それでも今▲6四角と出て、気づかなければ(笑)次に▲8三桂で「あっ!」と言うことになる。
ここではどのように受けるのが良いか?もちろん局面にもよるが、穴熊を指す人なら、まずこう指すところ。
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問452-1解答)「一手前の受け-金は引く手に好手あり」
プロは良く一手前に受ける、と言われるが、ここでも攻め込まれる一手前に△6二金引と受けて置く手が味の良い一着。しかも、「金は引く手に好手あり」の格言通りの手でもあり、二重に筋とも言える指したい手だ。
感想戦でも話されていたが、どうもこの辺りから徐々に後手が良くなっていったらしい。

(問452-2解答)「穴熊の基本の受け-”埋める”」
ここでの次の一手は△7三金打であり、まずここから考えるべきところ。実際には▲8三桂を受けるだけなら、いろいろな手はある。ただ、△6四飛と切るのは早すぎるし(もったいないし)、△7二金のように角に当てない手は先手になっていないのでやや緩い。また、△7三金と節約して受けるのは、強い受けだが、逆に危険で▲同角成から食い付かれるかもしれない。もちろん、金を使ってしまうと、自分の攻めが完全に切れてしまう場合は、危険でも節約して受けることもあるが、この局面は、ほぼ一択と言っても良いくらいの絶対の一手である。

本譜は、それでも角を切り、なんとか穴熊に張り付こうとしたが、後手に攻められ戦力を削られてから受けに回られると攻めが完全に切れてしまい、108手で後手の勝利となった。
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