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NHK杯に見る受けの手筋

(2015年1月19日出題)

第483問(2015年1月18日 藤井九段-行方八段戦)
(問483-1)
先手藤井九段、後手行方八段で戦型は角交換四間飛車。動きの難しい中盤戦だったが、後手が中央から動き、戦いが始まった。そして途中からは一気に激しい流れとなり終盤戦へ突入。
下図は、▲4一銀と詰めろをかけた手に対し、単に△4七桂成では逃れていないと読んで、△5八飛で王手したところ。ここで平凡な受けではすぐに負けになってしまう。そこで指された先手藤井九段の指した一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問483-2)
問1から先手が自陣に駒をどんどん投入した為、後手も龍を引きつけて攻めを余しに行った。そして迎えた下図は後手優勢。それでも今▲5五金と上部を押さえ、次に龍をいじめながら上から押しつぶそうと狙っている。ここで指された後手行方八段の次の一手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問483-1解答)「最も難しくなる(紛れる)合駒」
ここで平凡に▲3八金や銀打では△4七桂成と金を取られはっきり負け。▲4八金打も△4七桂成▲5八金△3七角からやはり詰まされてしまうので負け。という訳で▲4八飛はこの一手なのだが、こういう所を正確に読んで受けるのは難しい。ただ勝負に直結する所なので、自玉の詰みを読んで、飛車が打てるようになれば有段者とも言える。


(問483-2解答)「押しつぶされない受け方」
▲5五金は、龍の進入を防ぎつつ、次は逆に龍に当てて金銀で押しつぶす手を狙っている。そこで行方八段の指した一手は△4三金。これが手厚い一着。歩がないので小技が利かず、もちろん金銀を打って行ってこれ以上損しては完全に切れてしまう。

本譜は仕方ない▲7四歩の取り込みに、△6七馬から決めに行ったが、やや危険だったのかもしれない。その瞬間に▲5四歩を入れられ難しい終盤戦が続いた。しかし最後は、先手の猛追を振り切り、後手の行方八段が勝利した。
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