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NHK杯に見る受けの手筋

(2015年3月2日出題)

第489問(2015年3月1日 深浦九段-森内九段戦)
(問489-1)
先手深浦九段、後手森内九段で戦型は相矢倉戦。先手が軽いジャブを放ち、形を変えさせてから駒組みを続けるという昔ながらの進行。そして中盤、先手が動くとそれに合わせて後手も反撃を開始し、盤面全体を使った大きな戦いになった。
下図はその終盤、▲4四銀△同金▲同角の王手に、△3三歩とその王手を防いだところ。角取りではないので、この角をすぐに動かす必要はないが、次に△6七銀と打たれると先手陣はもたない。そこでここではどのように受けたら良いか。先手深浦九段の指した一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問489-2)
終盤の攻防が続ている最中で、▲4四桂に△4二金と逃げ、▲3二歩と垂らしたところ。もちろん次に▲3一角を打たれてはいけないが、▲3一歩成△同玉と下に落とされる筋もまずい。
そこで、後手の森内九段はどのような手順でこの窮地を凌いだか。三手まで進めた回答を。

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問489-1解答)「飛車に当てる一段金」
ここで深浦九段の指した手は▲6九金の受け。銀を持っているなら▲6七銀、金なら▲6九金と守るのが筋で、ここではそれ以外の手は考えづらい。ただ、▲6九金自体は離れ駒なので、自陣に手を入れる場合、▲6八金打とした方が良い場合も多い。

本譜は、△5四飛成に▲7一角成から先手が猛攻を開始、第2問へと続いた。


(問489-2解答)「上部への脱出を試みる」
ここでの三手は、△3四歩▲3一歩成△3三玉。この狭い場所だけでは受けようがなくなる為、△3四歩とまずは上部への逃げ道を開ける。そして▲3一歩成に、△3三玉の早逃げが後続の一着。
ここでも良く書いているように、玉は下段、隅へ行くほど寄せやすくなり、上部へ行くほど捕まりづらくなる。なので逃げる時は、上部脱出が可能かどうかを考える。特にこの局面のように、先手に押さえる駒、金や銀がない場合は、上部へ逃げ出すほど捕まりづらくなる。

本譜はここからの最終盤がものすごい攻防になった。特に先手の攻めが決まったかと思われるところからの森内九段の凌ぎ方が絶妙で、最後は先手玉を即詰みに討ち取り、後手森内九段が決勝へ駒を進めた。
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