第552問(2016年6月12日 先崎九段-藤倉五段戦) |
(問552-1) 先手先崎九段、後手藤倉五段で戦型は相矢倉。ただ、序盤から双方趣向を凝らし相手の出方を見ながらの駒組みとなった。陣形は、ともに銀を▲3七(△7三)に出し、同じような形ではあったが、後手の左金の立ち後れを見て先手が動いた。下図は今、3五で金と銀の交換が行われ、馬を引きつけたところ。次に先手に▲6二馬と入られたり、▲4五馬と歩を取られる手があり、どちらを指されても後手必敗だ。となればここでの次の一手は一つしかない。後手藤倉五段の指した一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問552-2) 上図の局面、先手に馬は作られても、歩がない為、局面自体はまだ難しい。しかしその後、後手の受け方にやや疑問があり、先手が攻勢を取ることになった。そして下図、今▲2五金と打たれ、次に▲5四歩から▲6四馬を狙われている。やや苦しいながらもここで踏みとどまる為の後手の受け方は何か?ここで指された後手の次の三手は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問552-1解答)「持ち駒を投入し押さえ込む」 ▲6二馬と▲4五馬を両方防ぐには△4四銀打と持ち駒をここに打つしかない。持ち駒を手放してはしまうが、ここへの銀の投入は形も良く、馬は作られても陣形はしっかりし、歩も得している為、決して打たされたという感じではなく、馬を押さえ込むために必要な一手と言える。 本譜は▲5七馬の後、△4二金▲2五歩△3五歩と進んだが、感想戦では、△3五歩で△3三金と上がり、この後の▲4六歩△同歩▲5六馬を消しておけばまだまだ難しかったらしい。実戦は、5筋の他4筋までしっかり位を取られてしまい、先手のリードが続いた。 |
(問552-2解答)「持ち駒を投入して徹底抗戦」 ここで実戦は、△2五金▲同桂△3四金と進んだ。問題図、▲5四歩があるので、△2五同金は仕方ない。▲同桂にどうするかだが、じっと△3四金と打っておくのがしぶとい受け。後手は歩を得しているし、先手の持ち駒も少ないので、馬にさえ活躍されなければまだ勝機はあるという考え方。 本譜は、▲3三歩△同桂▲同桂成△同玉にじっと▲4七桂が味わい深い継続手。これで次の▲3五桂を受ける形がなくなり、先手の有利が確定した。そしてさらにその後も緩むことなく攻め続け、最後は後手玉を即詰みに討ち取り、先手の先崎九段の勝利となった。 この将棋、最後は即詰みとなったが手数は短かかった為、いろいろ盤面を動かし17手と長くしてみたので、「今日の実戦の詰み」もどうぞ。 |
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