第594問(2017年4月16日 畠山成幸八段-増田四段戦) |
(問594-1) 先手畠山八段、後手増田四段で戦形は相掛かり戦。先手は早繰り銀で早期に▲3六銀の形を作り、双方この銀の動きに注意しながらの駒組みとなった。そして満を持して▲4五銀から▲5六角と攻めの態勢を作ったが、すでに先手の作戦負けだったようだ。感想戦では、序盤の端歩を突き越した手にまで戻り、検討されていた。 下図は▲2三角成を決行したところ。後手が冷静に指せばはっきり良くなる局面だが、一手間違えれば逆に後手の敗勢となる局面でもある。ここで指された後手増田四段の次の一手は何か?ここでは一手のみだが、読みとしては三手一組の手順である。 (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問594-2) 駒割りは飛金交換、形勢もそのまま後手優勢だが、今▲7三歩と手筋の叩きを入れられた所。こうしたところはこれも間違えると一手で逆転する箇所でもある。ここから指された次の三手は何か?先手の理想を言えば、▲7三歩△同桂▲7六歩△2五飛▲4一銀△6二玉に▲4三馬の詰めろ飛車取りだ。こうした水面下の変化を読みつつ応手を考える。後手増田四段の指した手は何か?特に三手目は? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問594-1解答)「手筋の代表-飛車頭の叩き」 ここは△2七歩と飛車頭を叩くのが絶対の一手。▲同飛と取らせれば△4九角が飛車取りであると同時に△5八角成▲同玉△7八飛成を見て非常に厳しい。なお、もし角を持っていなくて歩が三歩ある場合にも、△2七歩と叩き▲同飛△2六歩▲同飛△2五歩と言うような手筋で飛車筋を止める手も頻繁に出てくる。一番まずいのは、△2三同金と馬を取り、▲同飛成と飛車に成り込まれる手だ。角が入れば、相手玉が詰んだり必死になる場合以外は、角金交換でも飛車に成られるのは悪いと思っておきたい。 本譜は△4九角を喰ってはいけないので、ここでやむなく▲3二馬と金を取ったが、△2八歩成と飛車を取られ、後手優勢のまま終盤戦に入った。 |
(問594-2解答)「攻めを見た飛車の逃げ場所」 ▲7三歩に対しては△同桂がもっとも自然。問題は次の▲7六歩だが、これに対する飛車の逃げ場所には迷う。実戦は△5五飛と中央に回ったのだが、これが詰めろ飛車取りにならず、さらに攻めを見た好所だった。 先手は、すぐに王手をかけても追ってしまうだけなので、▲2一馬と桂を補給し、さらに▲1一馬と取って飛車に当てようとしたが、すぐの△3九飛が△5五飛と連動した好手。△5九角から一気の攻めを見て先手玉を光速で寄せきることに成功、後手増田四段の完勝譜となった。 |
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