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NHK杯に見る受けの手筋

(2017年11月13日出題)

第624問(2017年11月12日 屋敷九段-青嶋五段戦)
(問624-1)
先手屋敷九段、後手青嶋五段で戦型は相穴熊。居飛車が▲6六歩と止め、振り飛車が△6二飛と振り戻すこの形の本道とも言える定跡形。そして先手が▲6八銀と引き締めた瞬間(▲6六の地点が薄くなった瞬間)に△6五歩と開戦して戦いが始まった。その後、互角で難解な中盤から終盤戦が繰り広げられる。下図はその終盤。先手が飛車取りに構わず踏み込んだ手に、後手もその飛車を取らず逆に飛車を切って強襲をかけたところ。△7九馬と金を取った所で、遠く△1一の角がいる為この馬は取れない。ここで指された先手の次の一手は何か?

(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問624-2)
大技でポイントを上げた後手が有利に立っている。とは言え、▲6一飛も攻防手で、ちょっとでも間違えればたちまち逆転しそうな局面。下図は△6六歩に▲同銀と取ったところで、△1一の角取りになっている為後手も忙しい。ここで指された後手の次の一手は?有利から勝ちに持っていくための最も良い手段とは?後手青嶋五段の指した一手は?

(難易度・・・


(これより下に解答)

(問624-1解答)「安い駒で利きを止める」
ここで指された一手は▲6六歩。▲7七歩の方がしっかりしてそうだが、△8八馬と切られた後、△6六歩が嫌みだ。また駒を使ってしまうと、反撃した時の迫力がなくなる。そこで▲6六歩ということで、これで後手の攻めを受け止めたようにも見えるが、進んでみると先手がすべてを受け切るのは大変だったようだ。

本譜は△8八馬▲同玉に△6五歩とやはり角筋を使って攻めて来られると、容易にほどけない。そのため▲6一飛と攻防に打ち、反撃の味を見せて第2問へと続いていく。


(問624-2解答)「要の大駒を追う」
△6七金と攻めるのは第一感だが、▲1一飛成と角を取られると詰めろをかけ続けるのは難しそう。そこで△5一金打と自陣に打ち付けたのが実戦。▲6五飛成と成り返られると金銀二枚では心細いようだが、△6四歩と打てばどう応対されても龍を追いながら▲6六の銀を取れる形になるので切れる心配はない。

本譜は▲8一飛成と玉を見える形にしておいてからの▲5五歩が一連の勝負手だった。しかし、先手の攻めが詰めろでなくなった瞬間に△5五角と飛び出すと、先手の屋敷九段が投了、後手青嶋五段の勝利となった。

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