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NHK杯に見る受けの手筋

(2019年4月22日出題)

第695問(2019年4月21日 増田康宏六段-西田四段戦)
(問695-1)
先手増田六段、後手西田四段で戦型は居飛車穴熊対ノーマル四間飛車。従来の居飛車穴熊と少し違うのは、端を受けてから穴熊に向かったところで、対して振り飛車も工夫した駒組みを続けた。仕掛けは居飛車側から。3五〜2四〜6五歩と仕掛け、これに反撃する形で攻め合いに。その後、先手の飛銀取りをかけられても馬を消すことの方が大きいという大局観で終盤が進行、難解なまま最終盤へと突入。下図は端を逆襲し、今▲9四桂と王手をかけたところ。後手の応手は、取る手と玉の逃げ場所6つだ。ここではどれが正着か。ここで指された後手の次の一手は何か?
(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問695-2)
難しい終盤戦が続いている。下図は今△7六桂と両取りをかけられたところ。まずこれがどのような狙いを持ち、どれくらいの攻めかを見極める必要がある。先手からは▲6三歩という確実な攻めはあるがまだ遠い。ここで後手からの攻め筋を考え、どのように受けたら良いかを決める。ここで指された先手の次の一手は何か?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問695-1解答)「終盤は読みpart1 相手の持ち駒を良く見て」
ここは△8三玉の一手で、それ以外の手では簡単に負けてしまう。△9四香と桂を取る手は少し長い読みを必要とするが、それ以外、たとえば△8一玉など下へ逃げると▲6一龍の一発で終わってしまうし、△7三玉や△9三玉は、▲8二角をゼロ手で入れられるだけでも勝負が決まってしまうほどの失着になる。

本譜は(△8三玉に)▲6五桂と払った後、▲8二角を打ち込み、後は後手からどのくらい厳しい攻めがあるかどうかという局面に進んで、第2問となっている。

(問695-2解答)「終盤は読みpart2 金をかわして当てる」
ここで増田六段は▲6七金とこちらの金を上にかわし、(局後)ここで勝ちになったと話していた。この問題図の局面、何もしないと△8八桂成ではなく、△6八桂成と金を取る手が厳しく、▲同金には△9八金から先手玉が寄ってしまう。そこでどう受けるかだが、▲6七金と強く角に当てるのが好手。△8八桂成からの殺到は怖いが、ギリギリ凌いでいる。但しそうした相手の攻めも正確に読んで受けきれると思わないと金は立てない。

本譜は△8八桂成で銀を取った後、△4八角成と角を逃げたが、先手に▲6三歩の攻めが回ると一手勝ちが明快になったようだ。そして最後は後手玉を端に追いやり金を入手、後手玉に必死をかけて先手増田六段の勝利となった。

なお、この将棋の終局図から先手玉の詰みを作成。本来は詰みのない先手玉に、後手の持ち駒を増やし余詰めを消す為盤上を修正したので「今日の実戦の詰み」もどうぞ。
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