第697問(2019年5月5日 谷川九段-安用寺六段戦) |
(問697-1) 先手谷川九段、後手安用寺六段でで戦型は相振り飛車。先手が向かい飛車の金無双、後手は三間飛車で美濃囲いという相振りとしては昔からある典型的な形。局面は、後手が先手の位に反発する形で動いていった。その後、先手は駒損の代わりに飛車を成り、終盤戦へ突入。下図は▲8二飛成と王手で成り込んだところ。ここではどのように受けるのが良いか?先手からの攻めを考え、次の一手を着手する。後手安用寺六段の指した次の一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問697-2) 後手の驚異的な凌ぎで、先手ペースかと思われた本局も次第に混沌としていった。そして下図、直前の△7四同角が好手で逆転模様。一旦▲4三龍と王手をかけた所だが、ここで間違えると再び形勢は先手に傾く。ここではどのように受けるのが正しいのか。後手の指した次の一手は何? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問697-1解答)「先手を取れるかどうかを読む」 何も考えなければ普通は△7二金打とはじき、▲9一龍に△6六銀と角を取れると読む。しかし、実際に▲7二金打とするとすぐに▲6三歩の叩きが来て、△同玉なら▲9一龍が金取りになり、▲6三歩に△5二玉と寄っても(▲9一龍の後)▲4一銀があり、なかなか角を取る順が回ってこない。そこで先手が取れないなら、じっと△7二銀と打っておく方が陣形がしっかりしているとして打ったのが実戦。 本譜は、それでも角を逃げず、▲7四歩から攻め続けた。しかし後手も玉の早逃げから持ち駒を投入して受け続け、決め手を与えないままの終盤戦が長く戦われその途中で逆転、最終盤の第2問に進んでいる。 |
(問697-2解答)「攻防の合駒」 ここでは先手に二つの攻め筋がある。それは△7四の角を取ってからの角打ちと▲4四龍とこちらの角を取って△同飛に▲5五角の王手飛車だ。そこで△5三銀も堅実そうだがここに香を打っておくのが△5七歩成の攻めを見て味の良い合駒。 本譜は▲7四銀と角を取り、同玉に▲4一角と王手飛車をかけたが、△1四の飛車を取った瞬間、△6六角が幸便、一気に先手玉が見えて来た。結局、長い間辛抱して受け続けた後手が最後は先手玉に必死をかけ、後手安用寺六段の勝利となった。 なお、この将棋の終局図から先手玉の詰みを作成したので「今日の実戦の詰み」もどうぞ。 |
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