第719問(2019年10月13日 野月八段-渡辺大夢五段戦) |
(問719-1) 先手野月八段、後手渡辺五段で戦型は相掛かり。野月八段は攻め将棋、渡辺五段は受け将棋との話だったが、戦況は必ずしもそうにはならず難しい中盤の折衝が行われた。下図は、△6五桂から動き▲6六銀と陣形を乱してはいるが、一歩余計に渡した為、▲3五歩から▲2五歩の攻めをされてしまった。この歩にどうするか?気を付けないと一方的に攻め倒されてしまうので注意して受けなければならない。ここで指された後手の次の一手は何か? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問719-2) 攻め合いではなく、(先手にとって)後手の攻めを呼び込む形で終盤戦が進んでいる。今、△2五角打と二重に角を据えられ、部分的に受けのない形。ただ、後手の持ち駒が少ないこと。7筋8筋に打つ駒は王手で取れることなどから少し先手が余せそうにも見える。ここで指された先手の次の一手は何か? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問719-1解答)「銀をかわして受ける」 △2五同桂は▲2六歩ですぐに桂が死に、△2五同歩は▲3五銀と出られ、△3四歩に▲2四歩と打たれ一方的に攻められそうだ。そこで△3四銀とかわしたのが実戦。桂頭を攻められた時、このように銀をかわして受ける手は良く出てくる。▲2四歩と一歩を無条件に取られながら取り込まれるのは辛いが、ここでは最低限の被害と言える。 本譜は▲2四歩に△8八歩から△3五歩と今度は後手が攻めることになった。そして途中、攻め合いになる順もあったが、先手が後手の攻めを引き込む形で受けに回り、後手の猛攻が始まり第2問となっている。 |
(問719-2解答)「玉の早逃げ八手の得」 △6九角成を見られながら△6五桂という手や△4七、△5八へ成る手もある為、部分的にすべてを受ける訳にはいかない。このように相手の勢力が強いところは受けても受けきれないことが多い。そこで、この受けの手筋でも頻繁に問題にしている「玉の早逃げ」がここでも有効。△6九角成には▲8八玉とさらに戦線から離れ、△8五桂の待ち駒は▲8一飛で抜ける手を見ている。 本譜は△6五桂から二枚の角を成ったが、玉が▲8八で僅かに駒が足りない。△5四歩と最後の一歩を使った瞬間に▲7一飛から反撃、一気に後手玉を攻め、先手野月八段の勝利となった。 |
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