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NHK杯に見る受けの手筋

(2020年4月27日出題)

第747問(2020年4月26日 松尾八段-出口四段戦)
(問747-1)
先手松尾八段、後手出口四段で戦型は相居飛車。先手が相手の飛車先を切らさないよう▲7七銀と上がったのに対し、後手は▲2四歩を切らせ代わりに△7三銀と出て手得を主張した。その後じっくりした構想の問われる展開となったが、中盤の小競り合いの後、難解な終盤戦に突入。下図は、角交換から後手が先手陣を攻め、角銀交換ながら龍を作ったところ。ここで先手はどうしたら良いか?もちろん▲6七の金を取られては終わってしまうので、これを受ける必要がある。ここで指された先手の次の一手は何か?

(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問747-2)
駒得の先手と龍を作った後手。第1問ではまだ形勢にそれほど差はなかったと思われるが、下図はすでに先手が少し指しやすくなっている。ただ大きな差ではなく一手のミスで混戦になるのでここは大切な場面。△7五龍と一歩を取って走ってきたところだが、ここで先手はどうしたら良いか?先手の指した次の一手は何?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問747-1解答)「節約して受ける-受けの形」
金を持っていれば▲7八金としっかり受けるのも考えられるが、銀では△8八銀と先手で王手された後、龍を逃げられると駒損してしまう。そこで▲7七金と寄って受けるのがこの場合の形。もちろん飛車の横利きがなければ△8八銀で崩壊するのでこの金は寄れないし、終盤では常に回りの状況を見て正確に読みを入れなければならない。

本譜は、△8二龍に▲8三歩△7二龍▲8八飛と進み、7〜8筋で競り合いが起こり、そこで先手がポイントを上げ第2問となっている。

(問747-2解答)「手厚く投入して受ける」
第1問では節約した銀を、今度は投入して▲7六銀と打つのが手厚い受けとなる。第1問の▲7七金、第2問の▲7六銀、これが第一感であればその感覚は有段者と言えるかもしれない。7六に歩を打っても一旦は受かるが、龍が軽く、どこにでも動くことができ暴れられそうだ。銀なら引くしかなく、下まで引くと▲8二歩成があり、実戦の△7四龍は▲7五歩で龍を押さえ込めるという訳。

本譜は△5四に龍を追い攻めが遠くなった為、▲8二歩成から飛車の成り込みが間に合う展開に。後手もそれを阻止すべく頑強に抵抗したが最後は後手玉にきれいな必死がかかり、先手松尾八段の勝利となった。
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