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NHK杯に見る受けの手筋

(2020年11月2日出題)

第773問(2020年11月1日 斎藤明日斗四段-佐藤天彦九段戦)
(問773-1)
先手斎藤四段、後手佐藤九段で戦型はヒネリ飛車模様の相居飛車戦。相掛かりの出だしから▲4八玉△3四歩に▲3六飛とタテ歩取りを見せると後手は角を交換し、飛車を引いて受けた。その後先手の飛車を目標に角を打つと、難しい中盤戦へと突入。下図はその途中。2筋を突き捨てじっと▲3四飛と浮いた手が巧みで、一歩でも手に入れば攻めの幅も広がる。特に、後手にとっては△4四の歩を取られ、角も交換になると陣形が薄い。ここで指された後手の次の一手は何か?

(答えはこの下に)
(難易度・・・


(問773-2)
上図から読みの入った攻防が続いている。下図は▲4五歩と突き捨て△同角と取られたところ。先手としてはずいぶん歩を損していて、何か攻めに手を付けないといけないと思いそうなところだが、実戦はここで一着受けの手を指し手を渡した。ここで指された先手の次の一手は何か?
(難易度・・・


(これより下に解答)

(問773-1解答)「玉で受ける”場合の受け”」
ここで、△4三玉と玉で△4四の歩を守ったのはすごい一着だった。ただ、受ける形がないのも確かで、普通は△4三金だが飛車を持たれているので将来▲2一飛が厳しくなる。もっとも△4三玉でも、いつでも▲4一飛の王手があるので危険なのだが、ここではこれで凌げるという判断での”場合の受け方”だ。

本譜はお互い大駒を持っている為、動かす駒の難しい戦いとなっている。そして第2問へと続く。

(問773-2解答)「玉を安定させ手を渡す」
ここでじっと▲5八玉と寄ったのが実戦で、忙しい局面だと手を渡すのは怖いが形的にはこう寄りたいところ。これに対し後手も△4二玉と玉形を直して先手に手を渡した。

本譜はその後▲8六飛から先手が動いたが、技をかけようとした瞬間に後手の反撃を喰い形勢は一気に後手に傾いた。先手も最後攻防の角を放ったが、後手が安全勝ちを目指すと最後は先手玉を的確に寄せ後手佐藤九段の勝利となった。

なお最終盤から詰むように問題を作成したので、「今日の実戦の詰み」もどうぞ。
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