第837問(2022年2月6日 羽生九段-出口五段戦) |
(問837-1) 先手羽生九段、後手出口五段で戦型は相矢倉。但し序盤から双方駆け引きのある最新形。途中、僅かな形の違いから後手が仕掛けたがあまりうまくは行かず先手のリードする展開に。そして下図、今▲6三角と打ち込んだ所で、この手が厳しい。王手なので当然何か受けなければいけないが、ここではどう受けるのが良いか?評価値は先手63%でこれ以上離されないよう受けたい。後手の指した次の一手は何か? (答えはこの下に) |
(難易度・・・ |
(問837-2) 上図から数手後、後手は△6六歩と叩いて反撃。これに▲6四銀△5四銀の交換が入ったところ。▲5四歩と銀を取るのは、△6七歩成と玉頭の金を取られて逆転。と言うことで、ここはこの金をどうにかしなければいけない。ここで指された先手の次の一手は何か? |
(難易度・・・ |
(これより下に解答)
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(問837-1解答)「角には角の合わせ」 部分的には、△3一玉と寄りたいが、▲7四角成と飛銀取りに成られるとこれが受からない。ということで、ここでは△5二角と合わせるのがこれ以上の被害を拡大させない一着。▲同角成△同金は完全に後手の得なので、先手も▲5四角成と馬を作って、これで馬の狭さと、後々の角の働きで勝負はまだこれから、というところだったが。 本譜は、この後先手がさらに踏み込み有利から優勢へと徐々に拡大し、その途中の局面が第2問である。 |
(問837-2解答)「金は引く手に好手あり」 この金を助ける手は、▲6六金と歩を取る手の他に、寄ったり引いたりといろいろある。しかし、ここでは▲6八金引と引くのが自然な一着。▲6六金でも先手悪くはないと思われるが、△6五銀と幸便に出てこられると、▲7七桂と言う手はあっても先手の玉頭だけに紛れる要素は増える。序盤では、こうした拠点になるような歩を作られてはいけないが、ここはもう終盤戦。▲6八金引と引いた形は固く、▲5四の銀取りが残っているので先手優勢。 本譜は、△5五銀に▲5三銀成と成って玉頭を押さえた。さらに2筋の突き捨てから、筋の▲5四桂が入ると、その後数手で後手投了、先手羽生九段の勝利となった。 |
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