さて、ここまでで、8種類の駒の動かし方を、成りも含め、すべて説明してきました。ここでは、相手の駒を取る、ということについて説明いたします。
自分の駒の利きのあるところに敵の駒がある場合、それを取り、自分の駒にすることができます。 左の図で言いますと、2八にある飛車は、2四の歩を取ることができます。しかし、7八の銀は取れません。4八に自分の駒があり、飛車の利きが、3八までで、止まっているからです。 同じように、4八の香は、4四にある敵の歩を取ることができます。 また、8九にある桂は、9七にある、角を取ることができます。 駒の動きは、敵の駒であれ、自分の駒であれ、飛び越えることはできません。 但し、桂だけは違い、桂の前に駒があろうとなかろうと、二つ斜め前方のマスへ進むことができるのです。 また、取った駒を「持駒」(もちごま)と言い、この図面では、先手の下に、「銀歩二」とあります。 これは、銀一枚と、歩二枚が持駒になっていることを表しています。 |
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「駒を取る」ことは、勝つための基本です。 左の図を順に見ていきましょう。 まず、1八にいる、自分の香は、次に1三にいる、相手の角を取ることができます。この場合は、すぐにいただきましょう。 次に、3八にいる飛車は、今4六の桂に取られそうです。この場合は、何をおいても、飛車を動かし、桂に取られないようにしなくてはなりません。 7五の銀は、どうでしょう。今、6四の歩を取ることができます。でも、その次に、相手に、その銀を取られてしまいます。歩を取っても、銀を取られる。これは損なのです。 駒の価値は、高い方から、飛車、角、金、銀、桂、香、歩、という風になっていくのです。 したがって、歩を取っても、銀を取られては、損なのです。 一番右の9四歩は、9三の歩を取ってもかまいません。同じように取られるのも、歩で、価値は同じだからです。 |
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さて、相手の駒を取ったら、今度はその駒を使うことを考えましょう。 「持駒」は、自分の手番の時に、いつでも、開いているマスなら、一部例外はありますが、基本的にはどこへでも、打つことができるのです。 今、飛車から歩まで、一式、持駒があります。 盤面の開いている所なら、基本的に、どこへでも打つことができます。 しかし、たとえば、5三銀とか、5二飛と打つのは、すぐに相手に取られてしまうので、損になります。1一に飛車を打つのも、よく見れば、相手の飛車が利いているのが分かります。 駒を打つ時は、相手に、取られないかどうか、よく考えて打つことが大切です。 駒を打ってはいけない場所については、この後の(6)その他のルールで説明します。 |
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前のページで、成りについて、説明しましたが、打った駒が、成る場合について、説明します。 左の図の、2八の飛車は、2三でも2二でも2一でも、行きながら、成ることができます。 6九の香も、同じように、6三、6二、6一と成ることができますが、若干違うのは、6一の時だけ、必ず成らなければならない、ということです。 三段目より上に、持駒を打つ場合、最初から成りで打つことはできません。今、4三銀と、7三角を持駒から打ったとします。この場合、次に、この駒を動かせば、どこへ動かしても、成ることができます(四段以下へ動かしても成れます)。 9四の歩も、当然のことながら、9三へ入る時に成ることができます。 |