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将棋に関するミニ感想

2004年12月
12月22日(水)   記憶に残るソフト達

2004年12月、激指4が発売され、「その検証レポート」をまとめた。それを書いている時に、ふと今までのソフトで、記憶に残るほど衝撃的だったソフトのことを簡単にまとめておこうと思った。


将棋ソフトがいつ頃から開発されたのかは知らないが、私が覚えているのは、ゲームセンターに「将棋」がお目見えしてからである。しかし、当時のものは考えられないくらい弱かった。将棋仲間とゲームセンターに行っては、「将棋」を指したが、六枚落ち(もちろん人間側が)でも楽勝で、負けるまで指し続けられたので何時間でも遊ぶことができた。もちろん詰ませる気になれば、すぐに終わらせられるのだが、わざと入玉して全駒したりいろいろ遊んでいたのだ。すると、途中から玉が何枚も出てくると言うバグもあって、バグ捜しがまた面白かった。
(おい)
でも、そんな風に、100円で2時間も3時間も遊ばれるものだから、将棋のゲームはすぐに消えてしまった。

ファミコンのソフトも似たようなもので、これらは10級以下、少し強くなっても7〜8級だったと思う。そんな棋力のソフトを何回か試した程度で、当時は将棋ソフトがいずれ有段者を相手にできるなんて考えられなかったものだ。

私が将棋ソフトで最初に衝撃を受けたのが、NINTENDO64に登場した
「最強羽生将棋」である。これは正確には初段はなかったのかもしれないが、それまでがそれまでだっただけに、非常に強い印象を受け驚いた。

特に驚いたのが、△7七に出来たと金が、6筋へと2八にいる玉に近づいて来た時のこと。それまでのソフトは、(玉が居玉でさえ)かならず桂香を取りに△8八へ入っていたからである。と金が玉に近寄ってきたあの一瞬は今でも忘れられない。
しかし、これももう遠い昔の話だ。

次に感銘を受けたのが、
「AI将棋3」。非常に筋が良くなり、しかも指し手が早い(その当時としては)。それまでは一手指すのに何分もかかっていたものが、40秒程度で指すようになったのだ。それでいて有段者並みの手を指す!これは大いなる驚きだった。

「柿木将棋5」の詰将棋余詰め検討機能、これにも感動した。それまで余詰めの検討は自分でやらなければならなかった。詰将棋を解くだけなら、脊尾詰というソフトがあり、私自身これを買って使っていたのだが、その値段は結構高く、バージョンアップも考えてしまう。それを一つのソフトの中に組み込んでしまった。しかも正確。この将棋タウンで出題している「実戦の詰み」も、柿木将棋がなかったらここまで続いていなかったかもしれない。

「東大将棋5」にも感嘆した。特にその終盤力。将棋ソフトが強くなってきたと言っても、詰み以外は、序盤・中盤・終盤、どこを取ってもまだまだと思っていたのだが、そんな思いをこの東大将棋5は吹っ飛ばした。終盤に入るまでに優勢にしておかないと勝ちきれない、そう言う風に思わせられるほど終盤力が強化されていたのもこの東大5からである。
勝ちだと思っていた局面から絶妙の詰めろ逃れの詰めろをかけてきた瞬間は忘れられない。

そして、今回の
「激指4」。中盤力が強化され、終盤に磨きが掛かった。棋譜分析もより正確になりほぼ完璧なソフトとなった。東大将棋5の時でさえ感嘆したその終盤力は、はっきりと検討に使えるようにさえなってきた。
記憶に残るソフトに、また一つ新しいソフトが加わった。



私の記憶に残るソフトベスト10
順位 ソフト名 衝撃の瞬間
1 最強羽生将棋 △7七にいたと金が桂香を取りにいくのではなく、玉の方へ寄ってきた瞬間
2 東大将棋5 終盤勝ちだと思っていた局面で、詰めろ逃れの詰めろをかけられ負けた瞬間
3 AI将棋3 それまでどんなに適当に指しても負けなかったのが、いい加減に指して負けた瞬間
4 柿木将棋5 余詰めが簡単に指摘された瞬間
5 激指4 激指4のおすすめの手が自分の読みを上回っていた瞬間
6 詰将棋道場 ソフトが詰将棋を作った瞬間
7 東大将棋居飛車道場 詳細に定跡が入っているのを見た時
8 脊尾詰 難解な詰みをたちどころに詰ませたのを見た時
9 東大将棋7 鈴木大介八段との飛落ちの棋譜を見た時
10 激指1 すごい早指しなのに、その指し手が的確だった時


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