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NHK杯に見る受けの手筋
(2005年10月3日出題)

第18問(2005年10月2日:森内名人-千葉五段戦)
(問18-1)
先手森内名人の持久戦模様に千葉五段は藤井システムで対抗。それに名人が急戦を仕掛けたため難解な中盤へ突入。今、名人が▲3一飛成と成り込んだところで形勢は微妙。しかしいわゆる内龍と外龍の関係(▲3一龍は△7一玉に直射、△2九龍は▲3九歩で止まっている)で▲3一龍の方に力がある。
ここで千葉五段はうまい受けを用意。自陣への脅威を弱めてから先攻、局面をリードした。
(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問18-2)
最終盤、一旦ははっきり優勢になったと思われたが、寄せを失敗し、ここでは先手の勝ちになっている。今△5八金の王手に対してどこへ逃げるか。実戦でもこのような局面(考え方)は出てくる。場所は三箇所しかないが、この後の展開も読んで着手して欲しい。
(難易度・・・



(これより下に解答)

(問18-1解答)「飛車の利きを遮断する歩」
△4一歩のように飛車の利きを遮断するような手は部分的には良く出て来る。ただこの場合は取られて自陣への脅威が薄れていないようにも見える。しかし、▲4一同龍は△3九龍の攻め合いがあり、△2九龍に活を入れることが出来る。実戦もこの後、千葉五段は先手玉に迫り、寄せがあるのでは、というところまで迫った。


(問18-2解答)「詰み−詰めろ(一手スキ)−二手スキ−三手スキ」
今、後手玉はすぐには詰まない(もっと多くの駒が入ると詰む場合もある)。この局面は、先手がどうに逃げても後手の指し手は△5七金の一手である(▲7九玉に△4九龍は▲8八玉でやはり詰めろが続かない)。▲7八玉や▲7七玉と逃げると、△5七金が詰めろ(一手スキ)になり、▲同金△同龍がまた詰めろ(▲7七玉の場合は王手)。終盤は、詰めろか二手スキかを確実に読み切ることが必要となる。

そこでここでは、▲7九玉と逃げるのが勝ちを読み切った一手。△5七金が詰めろでなく、後手玉に詰めろをかければ勝ち、という読みだ。△5七金▲7五桂(詰めろ)△7八銀と打たれ▲8八玉で詰まない、と読めれば正解となる。

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