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NHK杯に見る受けの手筋
(2005年9月26日出題)

第17問(2005年9月25日:阿久津五段-谷川九段戦)
(問17-1)
後手谷川九段の横歩取り8五飛戦法。谷川九段の仕掛けに強手で反発した阿久津五段だったが、思ったほどの成果は出ていない。今▲2二角と打ち、次に▲3一角成から▲3二歩成を狙ったところ。調子よく攻めてるように見えるが、先手陣も△5六歩が入ると早い。後手としては、ここはうまく手を稼ぎ、△5六歩からの反撃を楽しみにしたいところ。
(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問17-2)
△5七銀と後手の反撃が始まりやや先手が苦しい局面。後手玉はすぐには詰まないので一旦は受けなければならないが、どのように受けるか。最も粘りある受けとは?
(難易度・・・



(これより下に解答)

(問17-1解答)「玉の早逃げ八手の得」
またまた出ました「玉の早逃げ八手の得」。龍や角、さらに3三の歩とこの地点は後手の勢力圏なのでこの場所ですべてを受け止めることは出来ない。という訳ですぐに玉を逃がす手が手を稼ぐ手筋。この後、▲3一角成にすぐ△5六歩かとも思ったが、谷川九段はさらに△4三銀と一旦受け、▲7四桂を待って△5六歩を決行、局面をリードした。



(問17-2解答)「終盤は筋だけでなく読みを入れる」
本譜阿久津五段は▲5九歩ともっとも普通に受けたが、△5八銀成▲同歩△5七歩成と成られ決定的に形勢を損ねた。ここでは、▲6八銀と言う受けも壁銀を直し普通だが、△5八銀成と取られた時▲同玉と引っ張り出されるのがちょっと嫌だ。解説で聞き手の千葉女流王将が指摘していた手が、▲6八金左!飛車に成られるので気づきにくいが△8七飛成には▲8八歩で先手が取れる。
実際には(感想戦でも)以下△6八銀成▲同金で後手の方がやや有利だが、それでもこのように指しておけば形勢は僅かだったようだ。

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