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NHK杯に見る受けの手筋
(2005年9月19日出題)

第16問(2005年9月18日:藤井九段-有吉九段戦)
(問16-1)
先手藤井九段の四間飛車に、袖飛車から角を転回した有吉九段だったが、巧みに仕掛けられやや苦しくなった。今、▲6三角成と飛銀両取りをかけられ苦しい局面だが、決定的に悪くしない手で離されないよう粘りたいところ。
(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問16-2)
この局面は攻めるなら▲5一飛から香を払って行くところだが、自陣にもちょっと嫌みな筋が残っている。ここで藤井九段はきっちり自陣を整備して安全にしてから攻めに回った。
(難易度・・・



(これより下に解答)

(問16-1解答)「馬との交換を迫る」
「両取り逃げるべからず」と言っても、この段階で飛車を取られては話にならない。と言ってもただ逃げるのでは▲5三馬で必敗だ。△7七飛成と飛車を切る手は考えられるが、▲同桂の後、5三の銀取りが残り後手を引く。
ここでは、△7三飛と飛車を馬にぶつける手が強手だ。▲8一馬なら先手が取れるし、▲同馬なら△同桂で飛角交換ではあるが、強力な馬との交換なのでまだまだ粘れる形だ。



(問16-2解答)「自陣のキズを先手で消す」
▲5一飛と打てば香は取れるが、後手になり、△6九角の筋を見せられながら、△3六歩▲同金△3五歩と位を取られる手がある。
この局面、先手のキズは3筋だけなので、▲3六歩は十分考えられるところ。しかし、藤井九段は、▲3五歩△同金▲3六歩と、単に守るのではなく、歩切れになっても一歩で一手稼ぐ手を選んだ。この後、藤井九段は▲5一飛から香を取り、有吉九段の端攻めを逆用し完勝した。

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