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NHK杯に見る受けの手筋
(2005年10月24日出題)

第21問(2005年10月23日:行方七段-堀口七段戦)
(問21-1)
相掛かりから飛車を深く引いた行方七段が、早めに銀を進出させ、今▲2五銀と相手の出方をうかがったところ。このまま▲2四歩△同歩▲同銀とここまで進出させてはまずい。まだ序盤だが、時々現れる受け方なので級位者のためにこの局面を問題にしてみた。
(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問21-2)
中盤から終盤、力の入ったねじり合いが続き、先手が優勢にはなったが、堀口七段も粘って容易に決め手を与えない。今△6一金と先手ではじいたが、▲8一飛成で依然▲7二成香が厳しい狙いになっている。ここで攻めを遅らせる手筋の一着は?
(難易度・・・



(これより下に解答)

(問21-1解答)「飛車の横利きと桂で止める」
▲2五銀が出る前なら、△3三角▲2五銀△3五歩と飛車の横利きで受け止める手はあるが、出てしまった以上、△3三角は▲2四歩で間に合わない。ここは△3三桂と銀に当てる一手。飛車の横利きがあるのでこれ以上銀は進めず▲3六銀と引くことになり手損だが、後手陣に桂を跳ねさせた(その為に角が使いづらくなった)という意味合いもあり、形勢は互角。
早繰り銀などの場合、▲3六銀型に対し△3三桂と先に跳ねてこれ以上進出させない局面も良く出る。覚えておいて欲しい手筋だが、桂は戻れないので、跳ねる時には十分の読みが必要だ。


(問21-2解答)「厳しい攻めを先手で消しておく」
次に▲7二成香が非常に厳しい攻めだが、△6二金打のように単にこの筋を受けるだけでは▲6三歩と叩かれ受けになっていない。ここは龍取りに打つ△6三角が▲7二成香と▲6一龍△同玉▲4一龍の二つの攻め筋を消して当然の一手。▲7二歩との交換で角は手放したが、厳しい攻め筋を受け止めて、一手の余裕を得た。この後、△5七桂不成▲同銀△同馬から先手が受ける展開になり、少し難しくなったと思ったが、行方七段の鋭い寄せが炸裂、最後は華麗に寄せきった。

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