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NHK杯に見る受けの手筋
(2005年10月31日出題)

第22問(2005年10月30日:郷田九段-先崎八段戦)
(問22-1)
角換わり腰掛け銀から郷田九段が好着の角打ちを放ち先攻したが、先崎八段もギリギリで凌ぎ、局面は難解。今、▲8四銀とどうしても飛車を欲しいと言うことでソッポだが銀を打ったところ。ここでは、飛車はやれないと言って△6三飛と逃げるか、このまま飛車取りを放置して△4五歩と金を取るか、二者択一である。
(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問22-2)
先手の郷田九段が攻め続けているが、8一の銀が遊び、持ち駒が桂だけなのでやや細い。しかし、飛車をおろし、次に▲2四桂△4二金寄▲5三角成を見ている。この筋をガッチリ受け止めるにはどうするか。
(難易度・・・



(これより下に解答)

(問22-1解答)「取りに取りをかける手」
△6三飛と逃げると、▲9一角成△4五歩に▲5五桂が痛打だ。▲8四銀と一枚使ってくれたことに満足してここは△4五歩と金を取る一手。
▲8四銀のような手を「取りに取りをかける」と言うが、これは、▲9三銀成と飛車を取れば、△同香と香に逃げられ、▲9一角成と香を取ると、同飛と飛車に逃げられるからだ。このように「取りに取りをかける」手と言うのはあまり良い手にならないことが多い。但し、この場合は、▲4五の金を逃げづらく(△3七角を打たれるので)、飛車を取る手が厳しいために成立した手である。


(問22-2解答)「銀冠を構築」
△2三銀以外にもいくつか受ける手はあるが、この形では一番ピッタリした手だ。これで銀冠が再構築され、かなり難しくなった感じを受けた。しかし、郷田九段の▲5五桂が当然ながら厳しい攻めで、以下△3三金寄(△4二金引は▲2五飛から▲4三歩の叩きが残る)▲5三角成とし、この後先崎八段の疑問手もあったようだが、鋭い攻めで一気に勝負をつけた。

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