第26問(2005年11月27日:羽生四冠-渡辺竜王戦:お好み対局) |
(問26-1) 昨日はNHK杯が休みで変わりに将棋の日に行われた「次の一手名人戦」の録画が放送された。これは、その対局。 先手羽生四冠と後手渡辺竜王で、「次の一手」を当てやすく、最初は定跡通りの矢倉戦へ。 まだ定跡を外れた訳ではないが、▲6一角や▲3五歩もあるところ、羽生四冠は▲4一角と打ち込んだ。こうなるとしばらくは先手の攻め、後手の受けになりやすい。このまま6三に角を成らせてはまずいのでそれを受ける一手だが、ここでの当然の受けは? (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問26-2) 中盤過ぎから渡辺竜王が優勢になったと思われたが、さすがに簡単に土俵を割らない羽生四冠の頑張りで面白い終盤戦になった。今、△5七銀成と金を取られながら次に△6七角を見られ、やはり先手が足りないのかな、と思って見ていたところだが・・・。 次の一手は、なるほどと感心させられた。指されてみれば当然の一手なのだが。 |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問26-1解答)「全軍で受ける」 5三金と寄って受けるのは、▲3二角成と金を一枚取られ3、4筋が薄くなってしまう。ここは、6二飛と受けだけの飛車になってしまうが、こう受けるところ。というのも、この角がすぐに死ぬので(△4二金寄)、後手は結局、角を切って攻めるよりないから。そのような場合は、できるだけ受けやすい形で受けておく必要がある。 この後、▲3二角成に△同飛と取って少しずつ後手が優勢になっていった。 |
(問26-2解答)「玉の懐を広げる受け」 次に△6七角を打たれてはいけないのでこの地点を受けなければならないが、▲5八銀と成銀に当てて受けるのは△7五歩でまいってしまう(▲同銀に△9四角)。 本譜羽生四冠の▲7八金はなるほどと感心した手。6七の地点を受けると当時に7七から8八への逃げ道を確保している。ここで銀がもう一枚あれば、△8八銀のような手もありそうだが、渡辺竜王は△8八歩!▲4一角で一瞬逆転したのではと思ったが、大熱戦の終盤戦は最後に華麗な詰みで渡辺竜王が制した。 |
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