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NHK杯に見る受けの手筋
(2005年12月5日出題)

第27問(2005年12月4日:高橋九段-郷田九段戦)
(問27-1)
先手高橋九段、後手郷田九段のガップリ四つになった矢倉戦。
今先手の高橋九段が、銀捨ての強襲から角を打ちこんだところ。もちろんこれは後手も読み筋通りで、このままどちらかを単純に取られてはいけない。
次の一手は時々出てくるが、特に級位者の人は読み落としやすいので問題にしてみた。
(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問27-2)
最終盤、すでに先手陣は崩壊して脱出して入玉できるかどうかと言った戦いになっている。今、△5八馬と食いつかれ苦しい先手だが、ここはとにかく頑強に受けて先手のミスを待ちたいところ。
良くも悪くもここでの受け方は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問27-1解答)「角の両取りに角で受ける」
8二の飛車と4四の金取りを同時に受けるのは△5五角しかない。このような角は、良く飛落ちや飛香落ちで見かけることがある。(下手が手前で)△2二の金取りと▲5三角成を見て、▲3一角と打ち込むのだが、△4四角で受かってしまう、と言った展開だ(その後、△3二金と寄られるので下手必敗)。
この実戦は、解説で▲5六歩や▲5六金をやっていたが、高橋九段は平凡に飛車を取り、▲8四飛と打った。しかし、銀損は大きく郷田九段のリードする展開になった(局後の検討で、▲8四飛のかわりに▲5三歩なら面白いという話も)。


(問27-2解答)「とにかく当てて先手を取る」
6七の金取りを受けるためだけなら▲7八金や銀、▲6八銀などもあるが、これらは馬に当たっていないので、後手にとって脅威がない。こういう場合は、とにかく相手の攻め駒(大駒)に当てて受けなければいけない。逃げてくれれば儲けものだが、当然逃げるはずもなく、郷田九段は△2八飛。以下▲5八金△同飛成に▲6八金打とやはり当てて受けたいが、その金がない。かわりにやむなく銀を打ったが、さすがに△7六金からの攻めが厳しく持ちこたえられなかった。

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