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NHK杯に見る受けの手筋
(2006年4月10日出題)

第43問(2006年4月9日:片上四段-西尾四段戦)
(問43-1)
矢倉模様の出だしに、右四間をにおわせながら牽制した後手だったが、思わぬところから難解な中盤戦に入った。
その後、角を切り飛車を捕獲した先手に対し、急所に角を打ち反撃する後手。一手指す方がよく見える大熱戦に。
今△2九馬と桂を取ったところだが、ここで片上四段の指した一手は?早逃げしたいのだが、△4七馬がピッタリで早逃げの効果がなさそうに見える。テレビを見ている時は▲4四歩くらいしか見えなかったのだが、さすがプロと言える絶妙の手順で玉を安定させた。

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問43-2)
難解な終盤戦が続いている最中で、今▲5五歩と飛車を攻めにも使おうと歩を伸ばしたところ。
後手としては一刻も早く△4六馬など馬を使いたいところだが、陣形に不備も多く攻められると早い。ここで西尾四段の指した一手は?ここでの受けの好手と言えばそれほど難しい手ではないが、実戦で一手かけて自陣に手を入れるのは勇気がいるもの。


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問43-1解答)「手順を尽くして早逃げを成立させる」
片上四段の指した手は▲5七飛と一つ浮く手。銀取りなので△3八銀不成と入るが、そこで▲6九玉と早逃げ。△4七銀成に▲5九飛と馬に当てて先手を取った。この5手で玉を一路寄せることが出来、玉は安定、見事な手順だった。



(問43-2解答)「離れ駒をなくす自陣の整備」
攻めたい気持ちを抑えてじっと△3二金と寄った手が好手。5二の金が動くと常に△2二の金を狙われ、また壁金ともなっていたため、急いで攻めても反動が厳しかったが、この一手で△5二金が自由になり、玉の逃げ道も出来た。

この後も、お互い好手や渋い手の連発でどちらが勝っているか分からない戦いが最終盤まで続いたが、先手が攻めを凌ぎきり熱戦を制した。
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