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NHK杯に見る受けの手筋
(2006年6月19日出題)

第53問(2006年6月18日:森九段-野月七段戦)
(問53-1)
後手野月七段の三間飛車に先手の森九段は居飛車穴熊に組んだ。その後、両者の細かい応酬から難解な中盤戦へ入ったが、先手の疑問手に乗じ後手が僅かにポイントを稼いだ。
今、勝負形に持って行くため、穴熊ながら端歩を取り込んだところ。解説でも言っていたように、優勢だからと単に△9二歩と受けているようだとまた難しくなる。
ここでの手筋とも言うべき当然の一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問53-2)
悪いながらもなんとか勝負形に持って行こうとする先手に対し、後手の野月七段は慎重に△9六歩と応接。次に△9七香など馬の利きを最大限に使った攻めが厳しい。
ここで森九段の放った受けの勝負手は?後手からの攻めを緩和し、反撃に期待したいところ。


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問53-1解答)「香をつり上げる手筋」
このような場面で、二歩以上持っている時は、まずほとんどの場合△9七歩と香頭を叩いておく。同じ受けるにしても▲同香とさせておいてから△9二歩と受ければ、後の△7六馬が非常に厳しくなるという訳だ。
もっとも、実戦は、▲同香に△7六馬と9筋は受けずに攻め続け、それでも後手十分の終盤戦が続いた。



(問53-2解答)「大駒の利きを先手でずらす受け」
馬の利きをさえぎるだけなら▲8七桂でもさえぎられるが、何にも当たっていないで受けただけだ。ここで森九段の指した一手は▲6八桂。馬に当てると同時に龍の利きも遮っており、非常に味の良い受けだ。
もっとも、△6六馬▲6七歩△8四馬で、後手陣も容易に寄らない形になり、依然先手苦戦。この後、なんとか凌ごうとした先手だったが、正確な寄せが炸裂、最後は即詰みに討ち取られた。

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