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NHK杯に見る受けの手筋
(2006年6月26日出題)

第54問(2006年6月25日:石川六段-阿久津五段戦)
(問54-1)
やや相手を牽制しあった序盤の出だしから、三間飛車と左美濃に落ち着いた本局は、先手の石川六段が石田流の理想形に組み上げ、模様の良いまま終盤戦へと入った。
今、4七の銀を取り、△4六歩と金頭を叩いたところ。4四の金は浮いているが、同角と金を取り合うのは、先手の方がまずい。ここでは金を逃げる一手だが、どこへ逃げるのが最善か。


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問54-2)
▲4三銀と先手に先に打ち込まれ、ちょっと苦しい感じのする後手だが、ここで決定的に悪くしないように先手の攻め筋を読んだ上でその手を受ける手を考える。


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問54-1解答)「上部を手厚くしておく」
石川六段はここで▲3七金と寄った。▲4八金引と引くのも良く出てくるが、△3五歩と一旦金取りを防がれた時、上部が薄い。但し、ここに金を動かすと、3三の桂が跳ねた時に当たるので、それより早く攻める必要がある。



(問54-2解答)「厳しい攻め筋を取りで防ぐ」
ここで先手は3二や4二の駒を取って再度打つ攻め筋もあるが、同時に▲3四銀成とこちらに成り返る手も見ている。ここで阿久津五段は△2五銀と打った。これはこの筋を受けつつ角に当てて先手の攻めを急がせた好手。
この後、▲4二銀不成から再度▲4三金と打ち、精算して6二角成と角を逃げたが難解な終盤戦が続いた。感想戦ではこの後、端に手を付ければ後手有望の局面もあったようだが、その手を逃し、先手が僅かに残した。

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