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NHK杯に見る受けの手筋
(2006年7月31日出題)

第59問(2006年7月30日:中田七段-千葉女流王将戦)
(問59-1)
先手中田七段の三間飛車に居飛車穴熊に囲った千葉女流王将。単騎の▲2五桂跳ねをややとがめ損ない先手が一本取った形。それでもまだまだこれからという局面だが、ここで中田七段は、攻める前に自陣に一手味良く手を入れて引き締めた。具体的に何かを受けた、という訳ではないが、プロ好みのその一手とは?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問59-2)
先手の攻めが決まり、ここではすでに後手が苦しい。今▲2五桂と打ち、次に▲1三桂成を見たところ。もちろんこのまま成られてはいけないので、何か受ける一手だが、どのように受けるのが良いか。候補手は二つ。悪いながらも最善に頑張りたいところ。


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問59-1解答)「攻める前に、当たりを避け、陣形強化」
ここで中田七段の指した▲4八銀が、将来△6五桂と跳ねた時に当たる手を事前に避けると同時に玉の側に銀を引きつけて陣形の強化をはかった好手。▲1三歩成はいつでも指せるのでこういう場合は、あわてて取らず、一番良いときに取るのが良い。


(問59-2解答)「角のラインを外す受け」
ここでは先手の様々な攻め筋が残り、かなり苦しいが、とりあえず最も厳しい角のラインを外しておくのが、よくある一手で本譜も玉を寄った。これで、持ち駒に桂がなければ▲1三桂成には△同銀でまだまだ難しいが、この局面は7六にも桂が打て、実戦もそのように打ち、銀を手にした先手が、▲1四歩△同香▲1三歩と手筋で攻め、最後一気に必死にまでもっていった。
ところで、見ている時に感じたが、ここでは△4三歩の勝負手もあると思う。▲6六角は5五で止まり、▲6二角成なら角道がそれるので△8六飛と出ておいてまだ長い。恐いのは▲1三桂成の踏み込みだが、△4四歩と角を取り、▲1四香には△1三銀▲同香成△2二金上で耐える。これでも悪く、玉寄りの方が筋は良いが、受ける時は、強く、相手をせかす受けも考えたい。

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