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NHK杯に見る受けの手筋
(2006年8月21日出題)

第62問(2006年8月20日:羽生三冠-田村六段戦)
(問62-1)
角換わり模様の出だしから後手の田村六段が角道を止めた為、手将棋となった。その後、右玉に構えた田村六段に対し、先手の羽生三冠は薄くなった8、9筋からうまく仕掛け、確実な駒得を図った。
暴れるしかなくなった後手は、△6五歩から△6六歩と拠点を作り、今△7三桂と控えの桂を打ったところ。次に△6五桂と跳べれば迫力ある攻めとなるが、それを先手は許すハズもない。ここでの当然の受けの一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問62-2)
△8五桂打から後手の猛攻が続き、見ている時は、全てを受けきるのは難しいので、どこかで攻め合いになるのかと思ったのだが。ここで羽生三冠は、味の良い受けの一手を指し、後手の攻めを遅らせるのに成功した。



(難易度・・・



(これより下に解答)

(問62-1解答)「桂には桂(同じ駒)で受ける」
△6五桂を防ぐには▲5七桂と打つよりない。また、これ以外で△6五桂と跳ねられては先手まずい。
このような数の受けは、受けの基本であり、また同じ駒で受ける場合も多い。この後、後手は、△8五桂打と打ち、▲同歩△同桂と攻めの継続を図った。


(問62-2解答)「遊び駒を受けに使う」
指されて見れば、6七の地点を補強する為の当然の一手なのだが、見ている時は気づかず、後手の食い付きもうるさいと思っていたのだが、指されて「なるほど!」と一番感心した一手だった。
以下、△7七桂成から一旦△4四銀として第二陣の攻撃を仕掛けた後手だったが、▲9三成桂と香を取る手が間に合い、正確に受け、反撃した先手が快勝した。

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