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NHK杯に見る受けの手筋
(2006年9月25日出題)

第67問(2006年9月24日:野月七段-山本五段戦)
(問67-1)
先手野月七段の居飛車穴熊模様に、向かい飛車から仕掛けた山本五段。小競り合いの後、飛車を切り、端をからめて全面的な戦いに入った。下図は今、△4三金とと金を払って手を戻したところ。攻めるなら▲3二とだが、△2七歩▲同飛△4八飛が見えており、先手の玉も薄い。ここで野月七段は、自陣に手を入れて相手に攻めさせる手順を選んだ。ここでの一手は?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問67-2)
この局面、次に後手は△7八銀成と金を取るのではなく、その手を見ながら△7六香と打つ手が厳しい。そこで先手はこの手を受けなければならないが、終盤ではただ単にその手を受けるだけでは後手になってしまうので良くないことが多い。そこで、ここで野月七段の指した一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問67-1解答)「補強しつつ逆襲を見る」
手が広く受けるのも漠然としていて難しい。ここで野月七段は▲9九香と打って、9七からの打ち込みを受けると同時に、ゆっくりした攻めが来るなら▲9六香からの逆襲を見るようにした。
実戦は、直ちに△2七歩▲同飛から△4八飛と後手が攻めしばらく辛抱することになった。



(問67-2解答)「なりふり構わず先手で受ける」
△7六香を打たれては受けがなくなるので、角を手放すのは辛いが、とにかくここは先手で受けておかなければならない。という訳で野月七段は▲5七角と龍に当てて受けた。
この後、実戦はどちらが勝っているのか分からない壮絶な終盤戦になったが、最後は玉頭戦を制した野月七段が僅かに残した。


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