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NHK杯に見る受けの手筋
(2006年9月18日出題)

第66問(2006年9月17日:広瀬四段-谷川九段戦)
(問66-1)
お互い相手の出方を見ながらの序盤だったが、結局居飛車穴熊に組もうとした先手の広瀬四段にゴキゲン中飛車の谷川九段が仕掛けて戦いが始まった。
その後、うまくさばいて有利に進めた谷川九段だったが、先手も我慢して凌ぎ、今、受け止められるかどうかギリギリの局面になったところ。このまま何もしないで、次に△7八金打▲9九玉△5八金となっては攻め切れられてしまうが、ここで広瀬四段の指した一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問66-2)
一旦は後手の猛攻を受け止めたかに見えたが、今逆に角に当てられ▲1八角と後手を引いてしまった。先手玉もすぐに寄る訳ではないが、ここで後手には非常に味の良い受けの一手がある。これで勝ちました、という谷川九段の指した一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問66-1解答)「ふところを広げる受け」
受けそのものとしては、▲6九銀打や▲6七銀打、あるいは▲7七玉などいろいろあるが、6筋に歩が利く上、△3五角、△5五金など少しゆるめた攻めもあり、5八の銀を守るのは得策ではない。そこで、ここでは広瀬四段の指した▲9六歩が玉のふところを広げる好手。本譜のように△7八金打には▲9七玉で簡単には寄らない。この後、△5八金▲8五角で苦しかった先手が盛り返し、勝敗がどちらに転ぶか分からない熱戦になった。


(問66-2解答)「一歩で大駒の利きを止める」
飛車や角の利きを一歩で止める手は大抵悪い手にならないが、この△6三歩は一歩で両方の角の利きを止める非常に味の良い受けとなっている。つまり駒が入ると、受けては▲7二角成△同銀▲7一銀からのとん死筋を、攻めては△8五桂、あるいは△8八銀から8五に駒を捨てて詰める筋を見ている。
実戦はこの後、あわてて▲7六金と上がったが、再度△5七龍と入られ後手に寄せ切られてしまった。


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